要するに付属品全部入りモデル。ダイソンの「Dyson Ball Animal+Fluffy」

現時点でダイソンのキャニスター掃除機の最高額モデルとなっているのが、この「Dyson Ball Animal+Fluffy」です。



サイクロンと言えばダイソン。

日本人にそのイメージを強く刷り込むことに完全に成功したかのようにも見えるダイソンですが、必殺のサイクロン機構についてはここ数年進歩がありません。

もはや進化の限界まで行き着いたということなのか、ライバルメーカーの不甲斐なさに開発意欲を削がれたのか、原因は不明ですがダイソンのキャニスタータイプの掃除機の基本性能は2014年に発売された「DC63」シリーズから変わっていません。

24個の小型サイクロンを束ねた「2ティアーラジアルサイクロン」
パワフルな独自開発モーター「ダイソン デジタルモーターV4」
本体を小型化して操作性を高めている「ボールテクノロジー」

この3つの技術がダイソンのキャニスター掃除機の根幹となっていて、現状のラインアップにある製品の全てに搭載されています。

このため、ダイソンのキャニスター掃除機を購入する際には、付属してくるヘッドとツールを確認しながら製品を選ばなければならないという、何ともユーザー泣かせな設定となっています。

まず、最大のポイントは掃除機のメインツールとなる床用ノズルです。

この「Dyson Ball Animal+Fluffy」の場合、主にフローリングで真価を発揮するゴミの大きさを問わず吸い込める「ソフトローラークリーナーヘッド」と、主にカーペットで真価を発揮するゴミを掻き出すことに優れた「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」の両方が付属してきます。

「Dyson Ball Animal+Fluffy」以外のモデルは、どちらか片方のヘッドか、「モーターヘッド」や「タービンヘッド」という従来モデルに搭載されていたヘッドとなります。

そして、次のポイントが付属の専用ツールです。

この「Dyson Ball Animal+Fluffy」の場合、カーペットや家具についた髪の毛などをブラシに絡めずに取り除くための「タングルフリータービンツール」、家具などから細かいホコリを取り除くための「カーボンファイバーソフトブラシ」、狭くて届きにくいところ用の「リーチアンダーツール」、布団用の「フトンツール」の計4つの専用ツールが付いてきます。

これはかなり充実していますが、専用ツールについてはこの「Dyson Ball Animal+Fluffy」と同じように揃っているモデルもあれば、微妙に違う専用ツールが付いているモデルがあったり、ほとんど付いてこないモデルがあったり、何が付属するかはモデルによって違うので注意が必要です。

この「Dyson Ball Animal+Fluffy」の「Animal」の部分はおそらくペットの毛をカーペットから吸い取る能力の高い「ダイレクトドライブクリーナーヘッド」が付いていることから、そして「Fluffy」の部分はもちろんフワフワヘッドの「ソフトローラークリーナーヘッド」が付いていることから来ていると思われます。

しかし、ここで疑問が生じます。

果たして、ノズルと専用ツールが違うだけで、モデル名まで別にする必要があるのでしょうか？

本当なら、ベースとなる本体に好きなヘッドと好きな専用ツールを組み合わせて購入できた方が、使う方にしてみればよほど便利な話です。

そうだ、一番付属品の少ないモデルを選んで、ヘッドと専用ツールを別で購入すれば良いんだ！

と賢い買い物をしたくなるところですが、メーカーはもちろんそれを許しません。

専用ツールは別売り品として揃えることが出来ますが、正規の付属ノズルはそれだけでは購入することが出来ないのです。オフィシャルではないサイト経由で購入することは不可能ではありませんが、もちろん自己責任となります。基本の仕様は同じと言っても、ダイソンは型番ごとに微妙に本体サイズが異なるところも要注意なところです。

ダイソンのキャニスター掃除機のモデルは、付属ノズルや専用ツールの多さで様々に分かれていて、しかもその内容はモデルによって違うという厄介な体系が作り上げられているのです。

とりあえず、最新の床用ノズルが両方とも付いていて、主な専用ツールが揃っているこの「Dyson Ball Animal+Fluffy」にしておけば間違いないよ、うん。

というのがメーカーの狙いなのでしょう。

ひょっとするとサイクロンの王様ダイソンさんは、最近はサイクロンの開発よりも付属品のセット売り商売をすることに夢中なのかもしれません。

■Dyson Ball Animal+Fluffy(CY25 AF）のスペック