バルミューダ AirEngine(エア エンジン)
「これまでで、最も強力に空気を吸引する空気清浄機」
来ました来ました。
バルミューダがいつも通りにガツンと来ました。
もはや、おなじみの感もある史上最強宣言です。
ただ、もちろんここまで大胆に宣言するからには、当然その自信があるということなのでしょう。
バルミューダ AirEngine EJT-1100SD-WK(ホワイト×ブラック)
この「エアエンジン」は昨年に投入された「ジェットクリーン」の後継モデルというか、ほとんど同一のモデルです。
製品名が変わったことについては、特に説明はないのですが、「エア」「エンジン」「ジェット」「クリーン」と並べてみると何となく似た印象の単語です。
実際、スペックを見てみても、本体サイズ、重量、消費電力、運転音、操作ボタン、運転モードと主要なほとんどの要素が共通となっています。
もしかして、同じ製品の焼き直し?
と思ってしまいそうですが、よく見ると風量がほんのわずかながら増加しています。
最大風量を発揮する「ジェットクリーニングモード」で旧モデル(ジェットクリーン)が毎分6.0(トータルで10.0)㎥だったのに対し、新モデル「エアエンジン」は6.6㎥(トータルで10.5)と0.5〜0.6㎥増大しています。
この、風量にトータルの風量が併記されるというのが旧「ジェットクリーン」の時から変わらぬ「エアエンジン」の最大の特徴です。
本体内にファンを2台搭載しており、吸引ファンで取り込んでフィルターを通過させて綺麗にした空気を、さらに送風ファンで送り出すという2段構えの仕組みとなっています。
つまり綺麗にした空気に、綺麗にしていない空気を加えて送風量を増大させているのです。
空気清浄機のクセに、清浄もせずに送風だけするなんて!
と思わず怒りを抱いてしまいそうですが、もちろんメーカーはそんな怒りをガツンと叩きつぶすべく、しっかりと待ち構えています。
この「エアエンジン」は「まったく新しい構造」を持った空気清浄機だというのです。
「Wファン構造」と名付けられたこの仕組みは、煙突のように本体上部から強力に風を送り出すことで、部屋全体の空気を循環させ、離れた場所の浮遊物質も吸い寄せることが出来るというのです。
たとえまだ清浄していない空気を送風したとしても、何度もこの循環を繰り返すことで、いずれは綺麗になるよ、ということらしいのです。
ちなみにメーカーによると、「従来の」空気清浄機は真上に送風が出来ず、送風量も少ないため、部屋中を循環する気流を作り出せなかったとのだそうです。
つまり、「無駄だ」と。まあ、そこまでは言っていませんが、ニュアンス的にはそんな感じです。
ファンを2つにしただけと言えばそれまでですが、メーカー、バルミューダはもう完全に「従来の」空気清浄機に対して、戦闘モードに入っているようです。
ただ、もちろんこの「Wファン構造」も旧作「ジェットクリーン」で採用されていた仕組みです。
確かに「Wファン構造」は「従来の」空気清浄機と大きく異なるのでしょうが、この「エアエンジン」自体は昨年の「ジェットクリーン」から大きく進歩した製品という訳ではなさそうです。
従来モデル「ジェットクリーン」と異なるところ=フィルター
わずかに風量が異なるだけで、二段構えの送風構造という基本部分は従来モデル「ジェットクリーン」と変わらないこの「エアエンジン」ですが、もう1点、搭載しているフィルターが旧モデル「ジェットクリーン」とは異なる「酵素フィルター」となっています。
これは酵素の力でフィルターに吸着した細菌を分解するというグッドな性能を持ったフィルターだそうです。
驚いたことに、空気清浄機に一般的によく採用されている「HEPAフィルター」は使い続けるうちにフィルター内部で細菌などの微生物が増殖したり、何かの拍子に機外へ再放出されてしまうことがあるそうです。
うひゃー。
これはたまりません。しかし、言われてみれば確かにあり得そうなことです。
しかし!
この酵素フィルターなら、集塵と同時に除菌も行えるという訳です。いやー、なるほど画期的です。
ただ、この酵素フィルターに変更されたことで、フィルターの価格が従来の6,800円から9,800円へと3,000円上昇しました。フィルターは1年に1回の交換が目安です。
1.5倍近くフィルターの価格が上がってしまうのは、なかなか厳しいですが「微生物が増殖する」などと脅されてしまうと我慢する他ないのかもしれません。
ところが。
「エアエンジン」の交換用フィルターを見てみると、実は従来型の「酵素無し」フィルターも用意されているのです。
、、、。
3,000円を惜しいと思う小市民のために、妥協する道もしっかりと残してくれているのです。
もちろん「微生物は増殖するけどね。シシシ」という内なる声に耳を塞がないと、この「酵素無し」フィルターをチョイスすることは出来ません。
そして、ここであることに気が付きます。
この「エアエンジン」は本体価格49,800円というハイランクの製品ですが、旧作「ジェットクリーン」は46,800円でした。
その差3,000円。
これは「酵素フィルター」と「通常フィルター」の価格差と同一です。
これは偶然でしょうか?
いえ、もちろんそんなことは無いでしょう。
「ジェットクリーン」+「酵素フィルター」=「エアエンジン」
という図式がここで浮かび上がります。
もし「酵素フィルター」を装着しなければ、「エアエンジン」は旧作「ジェットクリーン」とほぼ同じということになってしまいます。逆に言えば、「酵素フィルター」を装着しないのであれば、最初から「ジェットクリーン」でも良いのではないかということになるわけです。
「ジェットクリーン」なのか、「エアエンジン」なのか。
微生物と同居するのか、しないのか。
3,000円払うのか、払わないのか。
なかなか悩ましいところですが、「ジェットクリーン」はメーカーのラインナップから既に無くなっているので、いずれ「エアエンジン」の不戦勝という決着に終わることは間違いないでしょう。
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