編んだような表面デザインが特徴的なパナソニックの紙パック式掃除機です。
ホワイト↓
パナソニック 紙パック式掃除機 Jコンセプト MC-JP820G-W ホワイト
ピンク↓
パナソニック 紙パック式掃除機 Jコンセプト MC-JP820G-P ピンク
特徴的な表面デザインは、「綾織」という伝統的な織り込み方法を模したものとなっていますが、これは単なるデザイン的な意味だけのものではありません。この「MC-JP820G」本体の表面素材には、「綾織」した繊維を積み重ねることで、従来素材の半分の薄さで同じ強度を確保できるという「PPFRP」という樹脂系の先端素材が使われていて、素材の特性を生かしつつ、製品の軽量化にもつなげているという実用的な側面もあるのだそうです。
もともと、この「MC-JP820G」は、50代、60代の「目利き世代」に向けて、質の高い家電製品を提案するという「Jコンセプト」シリーズに連なる製品です。掃除を少しでも楽にしたいというコンセプトのもと、特に本体の軽量化には力が入れられていて、こだわりの「綾織」デザインとなっている本体の重さは、わずか2.0kgです。ホースやヘッドも軽量化されていて、ホース、延長菅、ノズルを装着した普通に掃除をする状態での重さも3.3kgと、確かにかなりの軽量仕様となっています。
ただ、他のメーカーのライバル製品(紙パック式)も軽量化は進められていて、この「MC-JP820G」と比べて、極端に重たいわけではありません。
製品 | 発売年 | 本体 重量 | 標準 重量 | 吸込仕事率 | 運転音 | 価格目安 |
---|---|---|---|---|---|---|
パナソニック「MC-JP820G」 | 2019年 | 2.0kg | 3.3kg | 100~300W | 57~59dB | 40,000円くらい |
アイリスオーヤマ「KIC-BTP2」 | 2018年 | 1.8kg | 3.0kg | 110W | 68dB | 14,000円くらい |
シャープ「EC-VP510」 | 2019年 | 2.2kg | 3.4kg | 70~320W | 62~66dB | 31,000円くらい |
三菱電機「TC-GD1J」 | 2019年 | 2.1kg | 3.5kg | 80~320W | 59~63dB | 30,000円くらい |
日立「CV-KP900G」 | 2019年 | 2.3kg | 3.8kg | 50~340W | 51~57dB | 32,000円くらい |
東芝「VC-PH9」 | 2019年 | 2.3kg | 3.7kg | 20~350W | 61~65dB | 19,000円くらい |
本体の軽さでみれば、アイリスオーヤマ「KIC-BTP2」が最も軽いですが、「KIC-BTP2」は、吸込仕事率が110Wと紙パック式掃除機としてはかなり低めなので、パワー的に十分なのかどうかが気になるモデルです。ただその分、消費電力も550Wと低めなのと、本体価格も安価なので、掃除機の軽さ以上にコストを重視する場合は、この「MC-JP820G」よりもだいぶ優位となりそうなモデルです。
シャープの「EC-VP510」も、標準状態での重さで3.4kgと、この「MC-JP820G」との差がわずかに100gと肉薄しているモデルですが、運転音が少し大きめなのが気になるところです。また、シャープの掃除機ラインアップには、ここにあげた「EC-VP510」よりも軽いコードレスタイプの紙パック式掃除機があり、メーカー的にはそちらの方が主力モデルなのだと思われますが、おそらく、コードレスであるという理由により吸込仕事率や運転音が秘密となっているため、ここでは除外しています。
三菱電機の「TC-GD1J」も、この「MC-JP820G」と比べて、重さが本体で100g、標準状態で200gしか差がない軽量タイプの掃除機です。運転音もわずかに大きく、この「MC-JP820G」に搭載されている汚れを検知するセンサーや周囲を照らすLEDライトが無いので、使い勝手は劣りそうですが、ふとん専用の「ふとんブラシ」や、高い所の掃除がしやすくなる「2WAYロングノズル」という豪華な付属ノズルが付いてくるので、付属ノズルに魅力を感じる場合は、この「MC-JP820G」よりも優位に立ちそうです。
日立の「CV-KP900G」は、この「MC-JP820G」よりも運転音が静かだという点で優れています。床用ヘッドにLEDライトが付いていたり、ヘッドの操作性が高かったりと、使い勝手は悪くなさそうですが、普通に使う状態での重さが3.8kgと、軽量モデルではありつつも、この「MC-JP820G」と比べると少し重さに差があります。
東芝の「VC-PH9」も、普通に使う状態での重さが3.7kgと、この「MC-JP820G」と比べると少し重さのあるモデルとなります。ただ、この「VC-PH9」の場合、メーカー自身が紙パック式の掃除機に力を入れていないこともあるのか、特にこれといった長所のない、どちらかというと低価格モデルという位置づけの製品となっているので、質にこだわるこの「MC-JP820G」と直接競合することはないかもしれません。
こうして他のメーカーの製品と比べてみると、この「MC-JP820G」は、軽さについて抜きんでているというほどの差を持っているわけではありませんが、運転音の大きさや、細かなゴミを検知するセンサーが付いていたり、床用ノズルだけでなく、すき間掃除用の「子ノズル」にもLEDライトが付いていたりするトータルの使い勝手まで含めれば、なかなか優れた仕様の製品となっていることが分かります。
掃除をする際の姿勢が無理のないものになるように持ち手の位置や形状が変更されていたり、収納時に延長菅とホースを楽に片づけられるような構造になっていたりするなど、細かな部分まで工夫されているのは、さすが「Jコンセプト」シリーズということなのでしょう。
ただ。
2014年に「Jコンセプト」シリーズとして「MC-JP500G」が登場したあと、毎年モデルチェンジを続けているパナソニックのこの高級紙パック式掃除機シリーズですが、2017年モデルの「MC-JP800G」以降は大きな仕様変更はありません。この「MC-JP820G」も、2018年発売の旧モデル「MC-JP810G」と比べて、ホースの内径が細くなっているという変更はされているものの、全体の重さなどには影響しない程度の変更です。
また他のメーカーの紙パック式掃除機と比べて、確かに優れた特徴の多いこの「MC-JP820G」ではありますが、当然の結果として、価格もライバル製品よりは高めとなっています。しかし、まあこの点については、質の高いものを求める「目利き世代」をターゲットにしているというコンセプト通りということなのでしょう。
■MC-JP820Gのスペック
発売 | 2019年 |
タイプ | 紙パック式 |
集じん容量 | 1.2L |
吸込仕事率 | 約100~300W |
消費電力 | 約380~850W |
運転音 | 約57~59dB |
サイズ | 幅195×奥行383×高さ191mm |
重さ(本体) | 2.0kg |
重さ(標準) | 3.3kg |
付属ノズル | すき間用ノズル・ペタすき間ノズル |
コメント