どこから見ても「掃除機」というクラシカルな外観です。
三菱 紙パック式クリーナー Be-K TC-FJ2X-C
軽量&高機能なモデルとして登場することもある「紙パック式」掃除機ですが、この「TC-FJ2X」は、搭載する機能を厳選し、製造コストを抑え込むことで競争力のある価格を設定を可能にする、要するに低価格モデルです。
「コンパクトなのに大容量」という、ちょっと矛盾をはらんだキャッチコピーを掲げています。
はたして、どのくらい「コンパクト」で、どのくらい「大容量」なのでしょうか。
三菱電機の紙パック式掃除機といえば、軽量を旨とする「Be-K」シリーズがあり、現行では4モデルがラインアップされており、この「TC-FJ2X」も名を連ねています。その4モデルの本体サイズと重量、そして集塵容積を並べてみます。
製品 | 幅×奥行×高さ | 本体重量 | 標準重量 | 集塵容積 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
TC-FJ2X | 210×323×210mm | 2.4kg | 3.6kg | 1.5L | ハイパワータイプ |
TC-GD2X | 208×320×206mm | 2.1kg | 3.5kg | 1.2L | 軽量タイプ |
TC-GM2X | 208×320×206mm | 2.1kg | 3.4kg | 1.2L | 軽量タイプ |
TC-FM2X | 210×323×210mm | 2.4kg | 3.8kg | 1.5L | ハイパワータイプ |
現行の「Be-K」シリーズは「軽量タイプ」と「ハイパワータイプ」の2系統に分かれており、この「TC-FJ2X」は「ハイパワータイプ」に属します。そして、まあ容易に想像出来ることですが、「軽量タイプ」の方が本体サイズが「コンパクト」になっています。その代わりというか、当然の帰結という感じがしないでもないのですが、集塵容積では「ハイパワータイプ」の方が大きくなっています。
結果として、この「TC-FJ2X」は「別にコンパクトではないけど大容量」だということになります。
、、、。
まあ、キャッチコピーとしてはボツになりそうですが、「コンパクト」ではないものを「コンパクト」とすることは出来ません。これは困ったことになってしまいそうですが、、、
あ!
そうです。何も同じラインアップの中で「コンパクト」である必要はなく、世間一般で見たときに「コンパクト」であれば良いのです。
この「TC-FJ2X」のライバルとなりそうな、「紙パック式」で、かつ特別な機能を持たない、いわゆる低価格モデルを主要メーカーからピックアップしてみます。
製品 | 幅×奥行×高さ | 本体重量 | 標準重量 | 集塵容積 | 発売年 |
---|---|---|---|---|---|
三菱電機「TC-FJ2X」 | 210×323×210mm | 2.4kg | 3.6kg | 1.5L | 2020年 |
東芝「VC-PH7A」 | 210×323×194mm | 2.3kg | 3.6kg | 1.2L | 2019年 |
パナソニック「MC-PKL21A」 | 243×348×196mm | 2.9kg | 4.2kg | 1.3L | 2020年 |
シャープ「EC-KP15P」 | 189×377×176mm | 2.2kg | 3.7kg | 1.0L | 2016年 |
日立「CV-KV70G」 | 236×351×202mm | 2.7kg | 4.1kg | 1.3L | 2020年 |
この中で容積的に最もコンパクトなのは、シャープ「EC-KP15P」で、続いて東芝「VC-PH7A」、そしてその次にこの「TC-FJ2X」となります。 やはり、こうして並べてみても、この「TC-FJ2X」はあまり「コンパクト」という感じはしないのですが、この「TC-FJ2X」よりもサイズが大きく、重さもある日立「CV-KV70G」も、キャッチコピーでは「小型・軽量」な掃除機とされているので、まあこれくらいは「コンパクト」だよね、みたいな許容範囲に入っているということなのでしょう。
一方、集塵容積に関しては、この「TC-FJ2X」がトップとなっています。これなら自信を持って「大容量」と掲げることが出来そうです。なので、「(割と)コンパクトなのに大容量」という、この「TC-FJ2X」のキャッチコピーは決して偽りというわけではないのです。
そして、矛盾をはらんだキャッチコピーが別に偽りではないということ以外、この「TC-FJ2X」に目立った特徴はありません。
床用ノズルは、三菱電機のキャニスター型掃除機の中で唯一となる、モーター駆動ではない「タービンブラシ」ですし、壁際のゴミをしっかりと吸い込むための機構も組み込まれていません。紙パックの交換時期を教えてくれるサインも無ければ、節電モードなどもありません。もちろん付属ノズルも狭いすき間のゴミを吸い込むための最低限の「サッシノズル」のみとなっています。
基本的にはこの「TC-FJ2X」は、まず機能面への期待は捨てた上で、価格に魅力があれば決断、という比較的短いステップを経て購入に至るタイプの製品と言えるでしょう。
■Be-K TC-FJ2Xのスペック
発売 | 2020年2月 |
タイプ | 紙パック式 |
集じん容量 | 1.5L |
吸込仕事率 | 100~500W |
消費電力 | 300~1000W |
運転音 | 約58~65dB |
サイズ | 幅210×奥行323×高さ210mm |
重さ(標準) | 2.4(3.6)kg |
付属品 | サッシノズル・紙パック(MP-9) |
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