ツインバード「コアンダエア」

ツインバードの扇風機「コアンダエア」です。



TWINBIRD コアンダエア EF-D959W


「コアンダエア」。「エア」は誰でも分かります。「空気」ですね。

しかし「コアンダ」とは何なのでしょうか?

調べてみると、どうやら流体力学絡みの専門用語「コアンダ効果」に由来していると思われます。

「噴流が周りの流体を引き込む性質」のことを言うようですが、詳しいことはもちろん良く分かりません。まあ、なかなかそれっぽいネーミングだということなのでしょう。

さて、この「コアンダ君」、肝心の製品としての特徴はどうなのでしょうか?

まず、キャッチコピーが「わたしたちのための風」となっています。

わたしたち?

そして母親と子供の写真が横に並んでいます。
つまり、「わたし」のためだけでなく「子供」のための風でもあるということのようです。

さらに続くキャッチコピーが「思いやりを風にのせて」

キャー!

「思いやりを風にのせて」!

何かの歌の歌詞でしょうか?
ちょっと恥ずかしい感じがしてしまうくらいのポエム臭が漂ってきました。

さて、メーカーは何をもって「思いやり」と言っているのでしょうか?

「オーガニックの素材や食べ物を選ぶように素肌にやさしい風を選ぶことで、日々のくらしにもっと笑顔があふれると思うのです」

だそうです。

なるほど。

「素肌にやさしい風」

どうやら、これがポイントのようです。

そして3つの特徴が列記されています。

まず、第1に「大きいはやさしい」です。

来ました。いきなりポイントの「やさしい」です。

ハネの外径を従来の30cmから35cmに拡大したことで、少ない回転数でより多くの風を起こせるようになったようです。これにより、動いているのを忘れさせるほどの静かさを実現しているみたいです。

さて、注目のその動作音がいかほどなのかというと!

、、、。

なんと、これが秘密です、、、。

えーと、まあ、ともかく、「動いているのを忘れさせるほどの静かさ」だというのですから、相当静かなことに間違いありません。何デシベルとか、そういう細かい話は別にいいじゃない。という古き良きアナログ仕様ということなのかもしれません。

そして、名称の「コアンダ」の通り、外側の気流を引き込むことでムラの少ない心地良い直進風を送り出すようです。これが「素肌にやさしい風」につながるようですが、「ムラの少ない直進風」は他メーカーの製品でもアピールされているポイントなので、ここで優劣をつけるのは難しいところです。

第2の特徴が「大きいは使いやすい」です。

「大きいことは良いことだ」みたいな、ざっくり感がありますが、どうやら本当にそういう話のようです。

「扇風機は大きい方が使い勝手が良いことをご存知でしょうか」

といきなり問いかけてきます。

もちろん普通の人は、そんなことはご存知ではありません。
むしろ、コンパクトな方がかさ張らなくて良いんじゃないの?と思いがちです。

そんな誤解をメーカーはバッサリと一刀両断してくれます。

まずは、「かがまずに着脱できる上部収納のリモコン」です。

本体上部にリモコンが収納されたことで、操作をするために膝や腰を曲げたり伸ばしたりする手間がなくなったようです。例えば、赤ちゃんを抱えた状態でも、立ったまま片手でリモコンの着脱が出来ることがウリのようです。

リモコンなんだから、最初からリモコンを手元に置いておけば良いんじゃないの?

という疑問についてはこの際、無視です。

さらに返す刀で、「イス・ソファ・ベッド。床から少し高い場所でくつろぐことが多い現代の暮らしにおいては、扇風機の高さも少し高い方が使い勝手は良い」と、和室暮らしを「時代遅れ」と躊躇なく切り捨てて来ます。

最近、分譲住宅では和室無しのタイプも増えているという住宅事情を踏まえた、まさに「時代の要請」ともいうべき仕様ということなのでしょうか。

さすがに「和室での使用は出来ません」ということではないようですが、床にフトン、座布団を敷いている原始的な生活スタイルの人は「コアンダ君」導入時に思い切って生活スタイルの見直しをしてみた方が良いのかもしれません。

そして、最後の特徴が「”安心感”もっと大きく」です。

「冷房と併用して使っても、からだを冷やし過ぎて体調をくずしてしまっては元も子もありません」

と唐突に冷房との併用使用が前提のような話になっている上に、「元も子もない」とはいったい何と比べての話なのかさっぱり分からないという不思議な説明がなされていますが、どうやらこの「コアンダ君」には「温度センサー」が搭載されており、周囲の温度に合わせて運転を自動で調整する運転モードも備えているのだというアピールのようです。

さらに「自動オフタイマー」設定となっているため、電源を切り忘れて眠ってしまっても体の冷やし過ぎが防止されるようです。

子供が回転する羽根に触れたりしないよう「ガードリング」がついていたり、「チャイルドロック」機能があったりと、まあ、特別な機能ではないですが、確かに「安心」に配慮されている感じはします。

そして最近のトレンドを踏まえ「DCモーター」を搭載しているので、消費電力も最小2.5W、最大でも33Wと省エネです。

価格は15,000円前後と高性能扇風機としては、まずまず安価な部類と言えるでしょう。
謎の静音性と直進風が気に入れば、十分候補となりそうな製品と言えそうです。

ただ、アンチコンパクト指向の製品ということもあり、幅で40cm、高さで100cm、重量約6.3kgと存在感のあるサイズとなっているので小さな和室で使おうという人には特に向かないかもしれません。

また、「わたしたちのための風」がウリなので、風の独り占めは厳禁です。

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