東芝の誇る高級扇風機「SIENT(サイエント)」シリーズの最上位モデルです。
東芝 SIENT+ F-DLR300X(K)
「サイエント」とはスペイン語の「7」=「Siete」、「風」=「Viento」、そして何故か英語の「静かな」=「Silent」という3つの言葉を組み合わせて作ったメーカーによる造語だそうです。
なぜスペイン語ベースなのか?
しかも、そこになぜ英語で「Silent」を入れなければならないのか?
疑問は尽きないワケですが、まあおそらく”雰囲気”ということなのでしょう。
ちなみにスペイン語で「Silent」=「Silencioso」だそうです。
、、、語感的にちょっと長かったのかもしれません。
「7」にこだわる理由も良く分かりませんが、メーカーは「7つのS」として、「Sophisticated Design(洗練されたデザイン」「Soft Breeeze(心地よい風)」「Spread Wind(広がる風)」「Save Energy(省エネルギー性能)」「Smart Technology(卓越した技術)」「Simple Operation(使いやすさ)」「Sense of Safety(安心感)」とズラズラ上げています。
使う側からすると、お題目のようなキャッチコピーはどうでも良いわけですが、この「サイエント」シリーズ、中でも最上位モデルであるこの「F-DLR300X」は侮り難いところがあります。なぜなら昨年モデルである「F-DLP300」は東芝が自らの扇風機史上最高を目指すと豪語した野心的製品だったからです。
そして実際「F-DLP300」は、充電池を搭載した独特のピークシフト運転や独自のリズム風、温度湿度のデュアルセンサーによる自動運転など、なかなか多彩かつ優れた機能を誇った製品でした。
では、その後継モデルであるこの「F-DLR300X」はどうなのか?
これがやはりなかなかの優れものです。
特に元々DCモーターを搭載しているため、それほど高くなかった消費電力をさらに低減して来ています。昨年モデルと比較すると、最小3W→最小2.3W、最大31W→最大29Wとなっています。
微減です。微々減かもしれません。
しかし、50Wを40Wにするのとは訳が違う努力が払われているに違いありません(たぶん)。
そして、なぜか重量も軽量化されています。
昨年モデルの約7.4kg→約6.9kgとなっています。これも微減ですが、もともとバッテリーを搭載している分、軽量な製品ではないので、少しでも減るのは良いことでしょう。
さらに騒音も改善です。
最小16db→13dB、最大43dB→42dBです。
またまた微減ですが、ともかく前進です。
改善点はそんなところです。
、、、。
微改善、マイナー&マイナーチェンジ、と言ったところでしょうか?
しかし、バッテリーの性能は昨年モデルと同じですし、独特な自動ピークシフト運転(夜間充電→昼間稼働)も可能です。
温度湿度のデュアルセンサーも搭載していますし、それに基づく自動運転も可能です。
スペイン語ベースのくせに、信州上高地の風をリズム風に組み込んでいるというところも同じです。
扇風機として見たときに、必要十分過ぎる性能を備えているのは間違いありません。
元々完成度が高いために、ここから大きな変化を加えるのには、相当画期的な技術転換が必要ということなのかもしれません。それが出来たときは、きっともう別の名前の製品になっているということなのでしょう。
細かなところで、操作ダイヤルがタッチ式になっていたりして上品なのは良いのですが、最大風量や風速がはっきりと明示されなくなってしまいました。
もともと風量勝負の製品ではありませんが、高級扇風機ということで、出来ることならお上品な戦い方を選択しようとしているのかもしれません。
しかし、東芝独自のイオン兵器「ピコイオン」のアピール度合いが何だか大きくなっているのは、ひょっとすると少し気掛かりな点かもしれません。困った時のイオン兵器というわけではないことを願いたいところです。