ほぼ扇風機な外観ですが、どちらかと言うと、サーキュレーター的に空気を循環させる方が得意なコンパクトモデルです。
ホワイト系↓
シャープ 3D 扇風機 サーキュレーター PJ-J2DS-Wホワイト
ブラウン系↓
シャープ 3D 扇風機 サーキュレーター PJ-J2DS-Tブラウン
羽根の径は18cmしかなく、羽根の枚数も3枚しかありません。高さも調節は出来るものの最高で645mmしかないので、扇風機としてはコンパクトなサイズとなります。
それもそのはず。このモデルは、左右だけでなく、上下にも動く「3Dターン」という立体的な首振りが可能となっており、身体に風を当てる扇風機というよりは、部屋の空気を循環させるサーキュレーター的な使い方が想定されているモデルです。
シャープお得意の自然の造形に学ぼうプロジェクト「ネイチャーテクノロジー」により、この「PJ-J2DS」の羽根はアホウドリの翼を応用したものとなっていて、細く長い形状が空気抵抗を減らし、直進性の高い風を生み出しているのだそうです。なるほど、風に直進性があることは、サーキュレーターとしての効率の良さにつながります。
この「PJ-J2DS」の羽根の形を見て、どのあたりがアホウドリなのか、鳥類学者ならカンペ無しで示せるくらいの類似性があるのか、そもそも、翼を動かさず滑空することが特徴となっているアホウドリの翼を、クルクル回る扇風機の羽根に応用することにどれくらいの意味があるのか、ちょっと気になるところですが、少なくともコンセプトを伝えるうえで分かりやすいというメリットはありそうです。
ちなみにこの「PJ-J2DS」には、同じコンセプトを持つ「PJ-J2DBG」という上位モデルが存在します。
上位モデル「PJ-J2DBG」にはバッテリーが付いていて、コードレスでも使用することが出来るようになっているので、この「PJ-J2DS」よりも格段に多彩な使い方が出来ます。さらに温度+湿度センサーも付いており、熱中症などの危険がある空気環境の時には警告を発することも出来たり、本体にフットライトが付いているなど、使い勝手も優れています。ただ、当然のことながら本体価格は上位モデル「PJ-J2DBG」の方が高く、この2つのモデルの間には、1万円近くにもなる金額差が存在します。
予算が無制限の場合には、上位モデル「PJ-J2DBG」、予算に制限があり、特にコードレス機能が不要な場合には、この「PJ-J2DS」の方が有力な候補となるでしょう。
ただ、サーキュレーター的な使用が可能な扇風機は、何もシャープだけが製造しているわけではありません。外観は扇風機ながら、立体的な首振りが可能なモデルだけでも複数存在します。
メーカー | 製品名 | 高さ(cm) | 羽根枚数 | 上下首振り | 左右首振り |
---|---|---|---|---|---|
シャープ | PJ-J2DS | 52.5~64.5 | 3枚 | 計100° | 90° |
山善 | YLRX-BKD303 | 68~87 | 5枚 | 計38° | 80° |
三菱電機 | R30J-DW | 58/102 | 7枚 | 計100° | 180° |
アイリスオーヤマ | STF-DC15T | 60~70 | 3枚 | 計105° | 120° |
日立 | HEF-DC700A | 50~62 | 5枚 | 計100° | 90° |
本体価格では山善「YLRX-BKD303」が最も競争力のあるモデルとなっていますが、このモデルは立体的な首振りが可能といっても、上下方向には合わせて38°しか動かないので、サーキュレーターとして空気をかき混ぜる能力に関しては見劣りしてしまいます。
三菱電機「SEASONS R30J-DW」は、上下方向に合わせて100°、左右には最大180°とかなり振り切った首振りが可能なモデルですが、デザイン性も重視した、どちらかというと高級志向のモデルとなっており、風当りにも配慮した7枚の羽根や、パイプの着脱で高さを調整する方式など、この「PJ-J2DS」とは目指すところが少し異なるモデルかもしれません。
アイリスオーヤマ「STF-DC15T」と日立「HEF-DC700A」は、この「PJ-J2DS」とほぼ同じコンセプトを掲げており、直接の競合モデルとなりそうです。本体価格と首振り範囲の広さでは、アイリスオーヤマ「STF-DC15T」が少し有利な感じがしますが、いかにもサーキュレーター的なデザインについては好みが分かれそうです。
逆に日立「HEF-DC700A」は、価格では若干不利な立場となりそうですが、5枚羽根となっており、普通の扇風機としても使いたい度合いが強い場合は、この「PJ-J2DS」よりも少し有利と言えるかもしれません。
この「PJ-J2DS」は、ライバルモデルと比べて抜きんでた特徴があるわけではありませんが、奥の手として、シャープ必殺のプラズマクラスターを使うことで、風が当たるところの脱臭が可能という特技を持っています。プラズマクラスターの効果については賛否両論あることは否めませんが、洗濯物を部屋干ししていたりする場合には、プラス評価となる可能性はありそうです。
■PJ-J2DSのスペック
発売 | 2019年4月 |
サイズ | 幅270×奥行270×高さ525~645mm |
重さ | 約2.4kg |
羽根の枚数 | 3枚 |
消費電力 | 12W |
風量調節 | 8段階 |
風量 | 16㎥/分 |
風速 | 210m/分 |
左右首振り | 約90° |
上下首振り | 上10° / 下90° |
コメント