シャープ「KI-DX85」



シャープ KI-DX85-W(ホワイト系)

シャープの加湿空気清浄機の最上位モデルです。

「ワンランク上の空気浄化性能を備えたプレミアムモデル」

だそうです。

この「KI-DX85」は「トリプルクリーンシステム」によって空気をキレイにしますが、「トリプルクリーンシステム」は下位シリーズにも搭載されています。

、、、。

では、何が「ワンランク上の空気浄化性能」なのか?

どうやら、メーカー必殺の「プラズマクラスター」が通常の「7000」ではなく、「高濃度25000」であるということに由来しているようです。

、、、。

なんだ、プラズマクラスターか、、、。

正直、そんな感じもしないでもありません。
なぜなら、高濃度プラズマクラスター25000なら、昨年までのモデルにも搭載されていたからです。

しかし!

どうやら、今回のプラズマクラスターには、今回のウリである「トリプルクリーンシステム」において、大きな役割が与えられているようなのです。

「トリプルクリーンシステム」。
「トリプル」というからには、当然3つの段階がある訳です。

その第1の矢にして、この「トリプルクリーンシステム」の核となっているのが、部屋の空気中の微小なホコリ、そして部屋の壁などの静電気を除去することで、微小なホコリなどが壁にくっついてしまうことを防ぐという点です。

そして、その静電気を除去するのが、「プラズマクラスター」というワケです。

日常生活ではプラスとマイナス両方の静電気が発生していて、ホコリなどはどちらかというとプラス、部屋の壁などはどちらかというとマイナスに帯電しやすいため、ホコリが部屋の壁にくっついてしまうことがあるようです。

そ、こ、で!

必殺プラズマクラスターの登場です。

プラズマクラスターは、プラスとマイナスどちらのイオンも放出するそうです。
そのため、壁、ホコリそれぞれの静電気を打ち消すことで、壁にホコリがくっついてしまうことを防ぐことが出来るのだそうです。

うおー!
すごい!

プラズマクラスターが壁に先回りして、壁の静電気を除去、同時にホコリの静電気も除去。
こうして落ちて来たホコリを吸込めば、一丁あがり!ということのようです。

、、、。

果たして、そんなにウマくいくのものなのでしょうか?
そんな不安もちょっと頭をよぎります。

しかし、「トリプルクリーンシステム」は構わず、第2の矢を放ちます。

それは、循環気流です。

、、、。

あれ?
それはどこのメーカーも押している機能なのでは、、、。

と思いかけてしまいますが、違います。

「プラズマクラスターで壁などを除電しながら、気になるホコリから目に見えない微小な粒子まで一気に吸い込む”スピード除電気流”はシャープだけ」

なのです!

、、、え?

スピード除電気流、、、?

あまり聞き慣れない言葉です。

それって、もしかして、シャープだけなのは要するにプラズマクラスターなのでは、、、?
という疑問が湧き上がって来ますが、ここもグッとこらえます。

もっと気になるのは、この気流の動きそのものです。

「スピード除電気流」は本体の「ロングノズル」を利用した「後ろななめ20℃吹出し」によって、本体の後ろの壁→天井→向いの壁→床と部屋全体をグルッと一周するイメージです。

確かに部屋全体を循環しています。

しかし、最後の吸込み口は本体の背面となっているのです。

、、、。

これはどうなのでしょうか?

気流の動きは、部屋をグルッと回った後、本体の直前でグイッと本体を回り込むようにカーブして、本体の裏面に吸込まれるということになりそうです。このカーブのところで、ちょっとロスがあるような感じがしてしまいます。

しかしメーカーによると、背面全体を使って一気に吸込めるので、むしろ利点だそうです。

、、、うーん。

パナソニック、ダイキンなど他の大手メーカーの製品には、本体全面の下とサイドから吸引する形になっているものがあるので、ちょっと気になるところですが、ここは様々なテストを行っているであろうメーカーを信じるしかなさそうです。

ただ。

この「KI-DX85」は背後の壁に3cmまで近づけて設置出来るということになっています。

3cm!

わずか3cmのスペースに、部屋中の汚れたホコリなどが一斉に飛び込んでくるということなのでしょうか?

よく説明を読むと、3cmまで近づけることは可能だけど、壁が汚れたりすることもあるので推奨は壁から30cmのようです。

、、、。

これは、ちょっとイカガなものなのかという感じがします。
しかし、初めから離して置いておけば、特に問題はないということなのかもしれません。

そして「トリプルクリーンシステム」、トドメとなる第3の矢が、

「HEPAフィルター」です!

ドーン!!

0.3ミクロンの粒子を99.97%以上集塵する高性能フィルターです!

スゴい!!

ということには、残念ながらならないでしょう。

「HEPAフィルター」自体は特に問題ありません。

しかし、ここで問題なのは、この「HEPAフィルター」が多くの空気清浄機に採用されている一般的なフィルターだということです。

一般的なフィルターを「トリプル」のトドメの矢としてしまうのは、ちょっと弱い感じもします。

まあ、この「KI-DX85」に搭載されている「HEPAフィルター」は、10年交換不要ということなので、容量が多いタイプということなのかもしれませんが、空気清浄能力自体は特別なものとは言えなさそうです。

、、、。

「トリプルクリーンシステム」、何だかちょっと微妙です。

しかし、この「KI-DX85」の最大のウリは、実は空気清浄能力では無いと思われます(おかしなことかもしれませんが、、、)。

まず、この「KI-DX85」は稀にみる高度な連動機能を備えています。

連動機能1→→→エアコンとの連動

この「KI-DX85」はエアコンと連動して、エアコンの暖房運転に合わせ、加湿空気清浄運転を行うことが出来ます。
ただ、もちろん連動するのはシャープのエアコンで、機種も限られます。

連動機能2→→→ココロボとの連動

この「KI-DX85」はロボット掃除機「ココロボ」と連動して、外部から本体の操作が可能です。
ただ、もちろん「ココロボ(最新のRX-V200、又はRX-V100+家電コントローラー)」と専用アプリ、スマートフォン、ネット環境が必要です。

、、、まあ、対象機種を持っている人には、便利なのかもしれません。

しかし、まだあきらめることはありません。
なんと、この「KI-DX85」には、まだ特殊機能があるのです。

それは「ココロエンジン」を搭載しているということです。

「ココロエンジン」と言えば、「ココロボ」にも搭載されている人工知能&おしゃべり機能です。

この「ココロエンジン」があることにより、この「KI-DX85」は、室内の空気に汚れを見つけたときに「急いでキレイにしますね」、加湿空気清浄運転を長く続けているときに「タンクのお水、足りているかな?」、乾燥しているときに「乾燥しているよ」などと様々な言葉を発してくれるというのです。

運転停止状態が長く続いていると、「忘れられているのかなぁ」などと悲痛の叫びも上げるようです。

、、、。

これは、まあ、好きずきかもしれません。

黙って仕事をしろ。

と言いたい場合は、ココロエンジンをオフにすることも出来るようなので、大きな支障はありません。

また、旧モデルから搭載されている「みはり機能」も継続していて、乾燥・低温を感知したときなどは、自動で加湿を強化してくれます。
高温・高湿度を感知した場合は、何か出来るわけではありませんが、警告は発してくれます。

とてもハイテクな空気清浄機です。間違いありません。

しかし、空気清浄機としての能力については、必要充分な能力は備えていることは間違いないものの、図抜けたものではなさそうです。

付加機能にどれだけ魅力を感じることが出来るかが、この機種を選択する上でのポイントとなりそうです。

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