シャープ製ではありますが、トーカ堂オリジナルとして展開されている空気清浄機です。
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トーカ堂は1990年代からテレビショッピングなどで業績を上げている企業で、この「KC-30T6」は、旧モデルにあたる「KC-30T5」の仕様を実質的に踏襲したモデルとなっています。
まず目につくのは、オフィシャルのシャープ製空気清浄機とは少し異なった外観でしょう。通常のシャープ製の空気清浄機は、凹凸の少ないプレーンな外観をしていますが、トーカ堂モデルの「KC-30T6」は、本体前面にひし形模様の装飾が施されています。
しかし、この「KC-30T6」は、単にシャープの通常の空気清浄機の外観を変更したモデルというわけではありません。むしろ、この「KC-30T6」はシャープの通常の空気清浄機とは、中身が異なる製品となっているのです。
まず、この「KC-30T6」の大きな特徴は、加湿空気清浄機でありながら、水タンクを搭載していないという構造でしょう。
この「KC-30T6」は、加湿用の水をトレーに直接注ぎ、そのトレーに加湿フィルターを浮かべることで加湿を行う仕組みとなっています。給水の際は水差しなどを使って本体から引き出したトレーに直接水を注げば良いので、水タンクがあるタイプの製品と比べて特別手間が掛かるということはありません。むしろ水タンクが無い分、水タンクのお手入れが不要と考えることも可能かもしれません。
ただ、シャープの加湿空気清浄機の場合、水タンクのフタ部分に「Ag+イオンカートリッジ」を装着することで水の衛生環境を整える仕組みとなっていますが、水タンクを持たないこの「KC-30T6」は、日頃の丁寧なお手入れで衛生面を維持するほかはありません。
また、加湿トレーを水タンク代わりに使用するといっても、トレーの構造上の容量に限界があるのか、トレーの容量は約1.8リットルしかないことにも注意が必要でしょう。この「KC-30T6」の加湿力は、それほどパワフルとは言えず、最大でも370ml/時となっていますが、この少し非力めな加湿力でも5時間弱で水切れを起こす容量となっています。
そもそも、この「KC-30T6」は加湿空気清浄機でありながら、加湿機能のオンとオフを行うことが出来ません。加湿トレーに水が入っていれば加湿運転、入っていなければ空気清浄だけの運転、というざっくり感のある運転方式となっているのです。
温度+湿度センサーは搭載していますが、目標湿度の設定などは出来ないので、ざっくり感のある運転方式と合わせて、湿度の調整をしっかりと行いたいという人がこの「KC-30T6」を選択することは止めた方が良さそうです。
そして残念ながら、空気清浄の能力についても突出したものはありません。
「0.3μmの微小な粒子を99.97%キャッチ!」というのが、この「KC-30T6」の空気清浄能力となっていますが、もちろんこれは搭載しているHEPAフィルターの性能に他なりません。そして、この「KC-30T6」の場合、清浄な空気を送り出すパワーはそれほど高くなく、最大風量でも3.2㎥/分にとどまります。
また、フィルター類の交換時期についても、メインとなる集塵フィルターと脱臭フィルターは2年目安で交換となっており、2枚のフィルターで約5,000円程度のコストが掛かります。2,500円弱の加湿フィルターは5年目安での交換と寿命が少し長くなっていますが、シャープの通常の加湿空気清浄機は全てのフィルター類の交換が約10年目安となっていることを考えると、この「KC-30T6」のフィルター交換のコストは高めと言っても良いでしょう。
さらに搭載しているセンサー類についても、この「KC-30T6」は、温度+湿度センサーのほか、空気の汚れを感知するセンサーとして「汚れセンサー」を搭載していますが、明示されていないものの、おそらくこれは「ニオイ」のみを検知するもので、ホコリには反応しないタイプのものだと思われます。シャープの通常の加湿空気清浄機でも下位モデルは同様の仕様となっていますが、明るさを検知する「照度センサー」を搭載しているモデルが多いことを考えると、センサー類についても充実しているとは言い難いところがあります。
ざっくり感があって、パワフルでもない加湿機能、パワーも無く、フィルターの交換コストが高く、それほど高機能でもない空気清浄機能となると、この「KC-30T6」の基本性能がそれほど高いとは言えないのも仕方がないところでしょう。ちなみにシャープ製空気清浄機の大きな特徴であるプラズマクラスターについても、この「KC-30T6」に搭載されているのは、最低ランクの「プラズマクラスター7000」となっています。
そんな、この「KC-30T6」の最大の魅力、それはズバリ価格です。
シャープ製の加湿空気清浄機は下位モデルでも20,000円前後となっていますが、この「KC-30T6」は、トーカ堂のオフィシャルサイトでは13,000円を下回る価格(送料別)となっているのです。
少しパワーを犠牲にしても、ちょっと機能が少なくても、たとえ後で少しフィルター代が掛かったとしても、とりあえず普通に使える加湿空気清浄機が、なるべく安価で欲しい!という場合に、候補としてあがって来る可能性の高いモデルということになりそうです。
■KC-30T6のスペック
発売 | - |
サイズ | 幅380×奥行197×高さ570mm |
重さ | 6.8kg |
適用畳数(プラズマクラスター) | 11畳 |
適用畳数(空気清浄) | 14畳 |
適用畳数(加湿) | 木造6畳・プレハブ10畳 |
風量 | 0.9→2.1→3.2㎥/分 |
運転音 | 21→38→49dB |
消費電力 | 3→10→28W |
センサー | 汚れ・温度・湿度 |
加湿量 | 140→280→370ml/時 |
タンク容量 | 約1.8リットル |
交換品 | 静電HEPAフィルター・脱臭フィルター・加湿フィルター |
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