シャープの現行ラインアップに2系統あるコードレススティック掃除機のうち、「FREED」の方です。
ピンク系↓
シャープ コードレススティッククリーナー EC-SX530P ピンク
ゴールド系↓
シャープ コードレススティッククリーナー EC-SX530N ゴールド
もう1つのコードレススティック掃除機シリーズ「RACTIVE Air」と比べると、幾分ですが、本体部分が大きく、パイプも太く、総じてズングリした印象となっています。
シャープのコードレス掃除機としては、この「FREED」の方が昔からある、いわば先輩格にあたるモデルですが、新技術の搭載を競い合うことの多い家電の世界で、古いモデルがリスペクトされることは、かなりのレアケースです。
そして、この「FREED(EC-SX530)」の場合もその例外ではありません。
新しく登場して来た「RACTIVE Air」シリーズは、スティック型だけにとどまらず、キャニスタータイプのコードレス掃除機としてもラインアップされていて、現行モデルは6製品もあります。
対する「FREED」はこの「EC-SX530」ただ1つです。
もちろん、この「FREED(EC-SX530)」にオンリー1の魅力があれば、孤高の存在として生き残っていく展望が開けるのですが、困ったことにこの「FREED(EC-SX530)」はそのような強烈な個性のあるモデルではなさそうなのです。
この「FREED(EC-SX530)」のキャッチコピーは「ヘッドが走る、掃除が変わる」となっています。
ヘッドが走る、というのは、この「FREED(EC-SX530)」の床用ヘッドに走行用の車輪が付いていて、その車輪をモーターの力で回すことで走行をアシストするようになっていることを指しているのだと考えて間違いないでしょう。
普通の自走式掃除機は、回転ブラシがモーターの力で回ることで結果的に走行もしやすいという仕様になっていますが、走行専用のタイヤがあることで、より走行のアシスト力が高いというわけです。
しかし、それで「掃除が変わる」とまで言われると、そうなの?という気がしないでもありません。
もちろん走行しやすい方が便利なので、良い方に変わっていることは確かだと思うのですが、せいぜい「ちょっと変わる」くらいが妥当なのではないでしょうか。
しかも、この専用タイヤが機能するのは、当然ですが床用ヘッドを付けて掃除する場合の話です。
コードレス掃除機の利点として、ちょっとした掃除をサッと行えるという特徴がありますが、付属の隙間ノズルやブラシを付けた状態の場合、もともと自走力は必要とされません。
なので、キャッチコピーには「床の」と付けておく必要がありそうです。
これらを踏まえると、この「FREED(EC-SX530)」のキャッチコピーは「ヘッドが走る、床の掃除がちょっと変わる」ということになります。
、、、。
まあ、このキャッチコピーがたぶんボツになるであろうことは認めなければなりません。
ただ、メーカーが考えるこの「FREED(EC-SX530)」の最大の魅力が、自走するタイヤであることも間違いありません。
それもそのはずです。
この「FREED(EC-SX530)」のサイクロン機構である「遠心分離サイクロン」や、床の微細なゴミまで取れるという「極細ループから拭きブラシ」、そして何よりも特徴であるはずの脱着式のバッテリーについても、もう1つのコードレス掃除機シリーズ、「RACTIVE Air(EC-AR2SX)」と共通の仕様となっているのです。
さらに付属ノズルも「RACTIVE Air(EC-AR2SX)」の方が多く、この「FREED(EC-SX530)」では別売り扱いとなっている付属ノズルが、「RACTIVE Air(EC-AR2SX)」では標準付属品として初めから付いて来たりします。
そして軽快さをウリとする「RACTIVE Air(EC-AR2SX)」は、ノズルを付けた状態でこの「FREED(EC-SX530)」よりも1kg弱軽くなっています。
ゴミを吸い取る能力は変わらず、付属品は充実していて、本体は軽い、ということになると、この「FREED(EC-SX530)」よりも、「RACTIVE Air(EC-AR2SX)」の方が魅力的に見えて来てしまうのも致し方ないことかもしれません。
、、、。
そもそも、どうしてシャープはコードレススティック掃除機に、この「FREED」と「RACTIVE Air」の2つのシリーズを揃えているのでしょうか?
単純に考えれば、その狙いはメインシリーズである「RACTIVE Air」では満足しないかもしれない人たちをカバーするために、「FREED」が補完的な役割を果たすということでしょう。
確かに「RACTIVE Air」シリーズがウリとする、本体の軽さを中心とした軽快さは、コードレス掃除機が持っている魅力の王道と言えます。
しかし、この「FREED(EC-SX530)」の持つ、床用ヘッドの自走力という特徴は、単純な軽快さに飽き足らない人を満足させることが出来るポイントなのかというと、正直なところかなり微妙な感じがします。
一応、この「FREED(EC-SX530)」には、「RACTIVE Air(EC-AR2SX)」には無いゴミセンサーが搭載されています。
そして、この「FREED(EC-SX530)」は、本体(と床用ヘッド)だけで自立させて置くことが出来ます。これは「RACTIVE Air(EC-AR2SX)」には出来ない芸当です。
色々片付けながら掃除をする場合などには、掃除機を立ててちょっと置いておけると便利です。
けど、それが決定的な魅力かというと、またそれはかなり微妙な感じがしてしまいます。
また、この「FREED(EC-SX530)」は、「RACTIVE Air(EC-AR2SX)」よりも実勢価格で数千円安くなっていますが、この「FREED(EC-SX530)」自体は低価格モデルというわけでもなく、「FREED」がシリーズとして目指すのも、低価格シリーズということはないでしょう。
はたして、自走力と自立力がある「FREED」シリーズの今後がどうなっていくのか、微妙に気になるところです。
■フリード(EC-SX530)のスペック
発売 | 2017年8月 |
集じん容量 | 0.2L |
吸込み仕事率 | - |
運転時間 | 自動:約20分 / 弱:約30分 / 強:約8分 |
充電時間 | 約80分(バッテリー1個) |
運転音 | - |
サイズ | 幅237×奥行212×高さ1038mm |
重さ | 2.4kg |
バッテリー寿命 | 充放電1,100回 |
バッテリー価格 | 8,000円 |