超薄型!けど中身も薄めなエスキュービズムのロボット掃除機「SCC-R05」

その薄さ、何とわずか3.2cm!
本当に薄いロボット掃除機です。

この「SCC-R05」を手がけているのは2006年創業という新しい企業、エスキュービズムです。「新しい価値を創造し、自らの手で世の中を変えていく」!と自負するこの新興企業は、既存の産業の枠にとらわれることなく、家電の他にも、ECサイトの開発や自動車販売など全く異なる分野に進出しています。

この圧倒的な薄さは、彼らが生み出そうとしている「新たな価値」のひとつだと考えて間違いないでしょう!

ガンメタリック+ブルーメタリック


エスキュービズムエレクトリック 超薄型床用ロボット掃除機 SCC-R05GM ガンメタリック/ブルーメタリック

シルバーメタリック+ガンメタリック


エスキュービズムエレクトリック 超薄型床用ロボット掃除機 SCC-R05SM シルバーメタリック/ガンメタリック

パールホワイト+シャンパンゴールド


エスキュービズムエレクトリック 超薄型床用ロボット掃除機 SCC-R05PW パールホワイト/シャンパンゴールド

ロボット掃除機市場に君臨するルンバの最上位モデル「ルンバ980」の厚さは92mmあります。32mmしかないこの「SCC-R05」の厚さは「ルンバ980」の4割程度しかないのです。

ロボット掃除機が薄ければ、より狭い場所、特に普段手の届きにくいベッドなど家具の下に入り込むことが容易となります。実際、この「SCC-R05」はそれを狙っていて「家具下重点モード」なる、家具の下にもぐりこんで掃除をする専用のモードまで備えているのです。

単に薄いだけでなく、そこには戦略があるというわけです。

しかし、まあ当然のことながらロボット掃除機は薄ければ何でもOKというわけではありません。

そして、この「SCC-R05」はロボット掃除機としての性能という話になると、残念ながら「ルンバ980」には全く歯が立ちません。

まず、最大の問題はこの「SCC-R05」がフローリングの上でしか機能しない製品だということです。

畳→「たわみや畳ごとの段差等により走行が困難」だそうです。
カーペット→「毛の種類や長さによって速度が落ちる、もしくは絡まって動かなく」なるそうです。
石・タイル→「硬質な床はタイヤや本体が磨耗し、故障の原因に」なるそうです。

そして、本来得意分野であるはずのフローリングに関しても「ワックス他の表面状態によっては滑り、走行が困難な場合も」ある、とちょっと自信なさげだったりします。

、、、。

まあ、実際のところ、この「SCC-R05」がフローリング限定の製品であることは、吸引口にゴミをかき込むブラシがなく、直接ゴミを吸い込む方式を採用していることからも予想は可能でした。もちろん、ルンバの製品はフローリング、そしてカーペット、畳でも使用が可能となっています。走行出来る床の種類の違いという予選段階ともいえるようなこの時点で、既にこの「SCC-R05」がルンバには対抗することが難しいことは明らかといえるでしょう。

しかし、実はこの「SCC-R05」はエスキュービズムが考える新しい家電分野「ROOM家電」というコンセプトから開発された製品です。

リビングで使用されることを前提とされ、高機能、多機能、高価格だった従来の家電製品とは異なり、対応できる床をフローリングだけにグッと絞りこむことで、「ROOM」=「小部屋」で使う家電という新しい価値をそこに生みだそう、というコンセプトの製品なので、全方位的に対応しようとする従来型家電のルンバなど実はハナから相手にしていないのです。

ただ現実問題、たとえ、この「SCC-R05」を使うのが小部屋の代表格であるワンルームだったとしても、マットを敷いていたり、完全にフローリングだけじゃない場合もあったりするから、なるべくなら色々な床に対応してくれた方が嬉しいんだけど、、、と、やっぱり考えてしまうのですが、まさにこれこそが従来の価値観に毒され過ぎてしまっているという証拠ということなのかもしれません。

また、この「SCC-R05」は吸い込むことのできるゴミの種類にも制限があります。

小石・針金→「吸い込み困難な他、硬質な物は本体を傷つけるため事前除去が必要」だそうです。
水・液体→「吸い込み困難な他、液体が内部に侵入すると故障の原因」となるそうです。
毛・糸→「長い物等、ブラシに絡まる場合は除去が必要」
綿埃→「大きなものは吸い込めないため、事前除去が必要」
紙・ビニール「大きなものは吸い込めないため、事前除去が必要」

うん、まあ「水・液体」がダメなことは分かります。この「SCC-R05」は屋内用ですし、液体はルンバでもダメです。

しかし、他はどうなのでしょう。

「大きなものは吸い込めない」し、「事前除去が必要」なものが多すぎはしないでしょうか。

まあ厳密に言えば、ルンバなどの他の製品でも同じなのでしょう。メーカー側からすれば、どんなものでも、いくらでも吸い込みますよ!と言えないのは間違いありません。

しかし、綿埃も事前除去というのは、ちょっと弱気過ぎるのではないでしょうか?

何しろ、この「SCC-R05」の特徴である「家具下重点モード」の存在意義が揺らいでしまいかねません。まさか、わざわざ家具の下も大きな綿ボコりが無いか、事前にもぐり込んでチェックしておきなさいということなのでしょうか?

そして、さらに気になる点として、この「SCC-R05」のダストボックスの容量は、なんと、わずか35mlとなっているのです。

パナソニックのルーロ下位モデルである「MC-RS20」のダストボックス容量が0.15リットルしかありませんが、メジャーなライバルメーカーの他のロボット掃除機の多くは、0.2リットルから大きいものでは0.7リットルともなるサイズのダストボックスを備えています。言うまでもありませんが、35ml=0.035リットルです。ちなみに小さく見えるあのヤクルトですら65mlあるのです。

そりゃ、大きなゴミは取れないよ、ていうか、入らないよ。

これは、この「SCC-R05」は小部屋用なんだから、ゴミの量もそれくらいのもんでしょ。

ということなのでしょうか?

、、、。

正直言って、次第にこの「SCC-R05」のことが、小部屋用家電という新しい価値を創造する画期的な製品というより、単に低機能なロボット掃除機という風に見えて来てしまうのですが、もちろん、それが既存の価値観に毒され過ぎてしまっているせいだという可能性はゼロではありません。

バッテリーの寿命も、交換用バッテリーの価格も分からなかったり、消耗品であるブラシやフィルターの価格すらも不明だったりして、考え始めるとこの「SCC-R05」には不安な点も多いのですが、新しい価値を創造しよう!という大きな気概を持っているような人にとっては、これくらいチャレンジングな製品の方が刺激的で良いよ!なんてこともあるのかもしれません。たぶんですけど。

■SCC-R05のスペック

サイズ幅228×奥行258×高さ32mm
重さ0.8kg
集じん容積35ml
稼働時間約1.5時間
稼働面積-
充電時間約3時間
バッテリー寿命-
乗り越え可能な高さ-

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