同じパナソニックの超大型モデル「F-YHPX200」の登場により、最速でこそなくなりましたが相変わらず衣類の高速乾燥を得意とするパナソニックの衣類乾燥除湿機です。
最速ではないと言っても、最速モデル「F-YHPX200」の2kg相当衣類の乾燥時間が約40分なのに対し、この「F-YHPX120」も約43分となっており、その差はわずか3分しかありません。
除湿量でほぼ同じクラスのライバル製品であるコロナ「CD-H1017」の2kg衣類の乾燥時間目安が約59分であることを考えても、十分にスピード感のある乾燥能力と言えるでしょう。
なんだ、最上位モデルと比べても乾燥時間がたった3分しか違わないならこっちで良いや。
という気もしてきてしまいますが、トータルの性能で見ると、この2つのモデルの実力差はたった3分ではありません。
最速モデル「F-YHPX200」の40分と、この「F-YHPX120」43分というのは、どちらも「速乾」というヒーターを利用した高速乾燥モードでの時間で、その際の消費電力は最速モデル「F-YHPX200」で800W/830W(50Hz/60Hz)、「F-YHPX120」で685W/715W(50Hz/60Hz)とかなり高いものになります。
センサーを利用したおまかせ運転にした場合の乾燥時間を見ると、最速モデル「F-YHPX200」は約53分、この「F-YHPX120」は約65分と乾燥時間にははっきりと差が出ます。もちろんその際の消費電力も最速モデル「F-YHPX200」で320W/340W(50Hz/60Hz)、「F-YHPX120」で225W/245W(50Hz/60Hz)となっていて、乾燥時間と同じくはっきりと差が出ています。
要するにこの「F-YHPX120」は高速乾燥モードのときに能力を絞り出すような設定となっているのです。
他にも最速モデル「F-YHPX200」のルーバーは2つに別れていて、それが別々に動くことでより効率よく乾燥することが出来たり、湿度を通常より低めの40%にキープするという「お部屋まるごとモード」を備えていたりして、トータルでの乾燥・除湿能力を比べてしまうと、この「F-YHPX120」とはやはり一味違うという感じがします。
まあ、当然です。
最速モデル「F-YHPX200」の除湿量は1日、最大18/20リットル(50/60Hz)、この「F-YHPX120」は最大11.5/12.5リットル(50/60Hz)なのです。最速モデル「F-YHPX200」はこの「F-YHPX120」の1.5倍以上の除湿能力を備えているのです。
価格を見ても最速モデル「F-YHPX200」は7万円クラス、この「F-YHPX120」は5万円クラスです。初めからターゲットが少し異なっていると考えた方が良いでしょう。
ともかく高い性能を追い求めるのであれば、最速モデル「F-YHPX200」の方がベターなのは間違いないのですが、たとえ最速モデルに及ばなくとも、この「F-YHPX120」も家庭用の除湿乾燥機として十分すぎる能力を持っています。メーカーお得意のエコナビで衣類の量を感知して、乾き具合に応じて運転を調整するという省エネ機能だって付いています。
そして、やはりスピードです。
同じ除湿量クラスでライバル製品と言える、コロナ「CD-H1017」のヒーターを利用した衣類乾燥時間が約59分ということを見れば、いかにこの「F-YHPX120」が高速乾燥を得意とするかということがよく分かります。
ただ、コロナ「CD-H1017」はヒーターを使っても消費電力は最大495/530W(50/60Hz)となっていて、さらに本体価格も3万円台ということを考えてしまうと、よほどスピードにこだわりが無い限りはスパッと決断出来なくなる可能性もありそうです。
この「F-YHPX120」の性能がそれなりに高いことは確かですが、コスト面もそれほど妥協しないハイテクモデルと言えそうです。
■F-YHPX120のスペック
タイプ | ハイブリッド方式 |
除湿能力(1日) | 9/10リットル(50/60Hz) |
衣類乾燥時間 | 約43分(2kg相当) |
消費電力 | 最大685/715W(50/60Hz) |
除湿面積(木造) | 11畳/13畳(50/60Hz) |
除湿面積(プレハブ) | 17/19畳(50/60Hz) |
排水タンク容量 | 約3.2リットル |
サイズ | 高さ580×幅370×奥行225mm |
重さ | 13.9kg |
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