「手軽」だけど別に「使え」はしないパナソニックの空気清浄機「F-PDM30」

「手軽に使える軽量コンパクトモデル」という触れ込みの最安値モデルです。



パナソニック 空気清浄機 ~12畳 ホワイト F-PDM30-W

たいていの空気清浄機はスイッチを押せば動き出すので、使うのに手軽も何もないような気がしますが、この「F-PDM30」は本体の上部が持ち手になっているので、おそらく「手軽に持ち運んで使える」という意味で「手軽に使える」となっているのだと思われます。

というのも、この「F-PDM30」から「手軽に」持ち運べるという点を除いてしまうと、とても「使える」空気清浄機とは思われないためです。

12畳という適用畳数の狭さからも分かる通り、最大風量は2.7㎥/分しかありません。この風量はすぐ上のモデル「F-PXM55」の運転モード「中」の2.5㎥/分をほんの少し上回っている程度にすぎません。そして、この「F-PDM30」は空気清浄と言いながらもパナソニックの空気清浄機ラインアップの中で唯一「ダストセンサー」を搭載していません。「ニオイセンサー」は搭載しているので「悪臭」には反応するのですが、どれだけホコリが舞っていても自動運転中に運転を強化することはありません。まあ、もともと風量が弱いので強化してもたかが知れているという諦めの境地に達しているのかもしれませんが、空気清浄機としてはいかがなものかという印象はぬぐえないでしょう。

ゴミをキャッチするフィルターもランクダウンしており、さらに交換頻度も約2年に1度となっていて、パナソニックの空気清浄機ラインアップの中では、最も頻繁にフィルターを交換する必要があります。さらにメーカー自慢のイオン兵器「ナノイー」もラインアップの中で唯一非搭載となっています。

これでもかというくらいに機能を減らされていて、おまけにパワーも無いので、シンプルというより単に貧弱な製品という印象が際立ちます。しかし、もしかすると12畳にこだわらず、トイレや脱臭所に持ち込んで悪臭をキャッチする役割に特化すれば、案外役に立ったりするのかもしれません。

■F-PDM30のスペック

サイズW311×D210×H540
重さ4.1kg
適用畳数12畳(空気清浄)
風量0.8→1.7/1.6→2.7/2.8㎥/分(50/60Hz)
運転音20→34→44/45dB(50/60Hz)
消費電力14/12→20→28/33W(50/60Hz)