三菱電機 風神 TC-ZXD30P
三菱電機の誇るサイクロンクリーナーの上位シリーズが「風神」です。
シャインホワイト↓
三菱 サイクロン式クリーナー 風神 TC-ZXD30P-W シャインホワイト
ルージュレッド↓
三菱 サイクロン式クリーナー 風神 TC-ZXD30P-R ルージュレッド
それなりに魅力的な基本仕様
キャッチコピーは、
「キレイを追求したフルスペックの掃除機」
となっています。
「キレイ」と「フルスペック」の基準がすごく曖昧なので、どうとでも解釈出来るような感じがしてしまいますが、もちろんそれは狙いどおりだと思われます。
決して断定はせず、なるべく遠まわしに「良い掃除機ですよ」ということを言おうとした結果なのでしょう。
そのコピーを裏切ることなく、この風神「TC-ZXD30P」はなかなか優れた特徴を持っています。
しかし、それは「最高」ではなさそうだ、ということも感じさせてしまいます。
最大の特徴は秒速90メートルにも達するという高速でゴミを遠心分離するというサイクロン機構だと思われます。
さらに、排気がゴミの中を通らないことでニオイまで抑制してしまうという効果まで見込めます。なんと排気のニオイを約83%抑えているのだそうです。
このため、「ゴミだけでなく、排気のニオイまでキレイにしました」(テヘッ)という、してやったり感まで漂わせています。
、、、。
高速で遠心分離をすれば、細かなゴミまでしっかり分離してくれるような感じはしますが、残念ながら秒速90メートルという数字がどれくらいの意味を持つのかが今一つピンと来ません。さらに「排気のニオイを約83%抑えた」というのは、なんと6年前となる2008年度製品と比べての話だということを知ってしまうと、なにやら作為めいたものを感じてしまうのも致し方ないところなのではないでしょうか。
なにしろ、この風神「TC-ZXD30P」の排気には、ダストカップを通過した後に、「カートリッジセット」という極めてフィルターに近い構造を通り抜け、「洗えるHEPAフィルター」を通り抜け、最後には「ULPAフィルター」という超難関の関所が待ち構えています。
「洗えるHEPAフィルター」が一度洗われてしまった後にHEPAのレベルを保っているのかどうかは不透明ですが、もしもそこそこのレベルの捕集性能を保っていた場合には、普通レベルの微粒子にとって、最後の「ULPAフィルター」をくぐり抜けることは極めて困難なミッションとなるのではないでしょうか?
そのため、この風神「TC-ZXD30P」の排気は相当キレイなのだろうということは、初めから分かっていそうな感じがするのです。
なのに、わざわざ2008年という昔の製品を持ち出されてしまうと、もしかして、もしかして、最初の秒速90メートルの高速遠心分離のレベルにあんまり自信が無かったりするのだろうか?という疑いをもったりしてしまうのです。
しかし、もしも秒速90メートルの高速サイクロンで分離し切れないゴミを、「カートリッジセット」+「洗えるHEPAフィルター」+「ULPAフィルター」の三段構えで取り除いていたとしても、間にティッシュを挟んだり、グルグルとチリ落としハンドルを回したりするサイクロン掃除機よりは素晴らしく遠心分離を活用している掃除機だとは言えると思います。
たとえ最高でなくても、劣っているわけではないということです。
どうしても、80周年モデルと比べてしまう、、、
この風神「TC-ZXD30P」は、サイクロン構造を除いても、壁ぎわが吸引しやすく、拭き掃除効果が見込め、毛の絡みつきが除去できる機構が搭載されたヘッドを備えており、ダストカップ周辺も水洗い出来たりするなど、なかなか使い勝手が優れています。
ただ、実はそのあたりは、サイクロン部の構造も含めて前年モデルとなる「TC-ZXC30P」と同様だったりします。
新モデルの「TC-ZXD30P」は加速度センサーが付いていて、掃除機を動かす速度に合わせてパワーを制御するようになっているのが、旧モデル「TC-ZXC30P」では異なるセンサーで制御していたりするなどの違いはあるようですが、新旧の2モデルは大きく異なっているわけではないようです。
なにしろ、旧モデル「TC-ZXC30P」は、三菱電機の掃除機製造80周年の記念モデルとなっていたのです。
この影響が最も出ている(たぶん)のが付属品で、旧モデル「TC-ZXC30P」には「ふとんブラシ」、「2WAYロングノズル」の他、「2WAYキャッチローラー」という、布製品全般の掃除に便利だという付属ヘッドが付いて来ましたが、この「TC-ZXD30P」は「ふとんブラシ」、「2WAYロングノズル」はあるものの、「2WAYキャッチローラー」は付属しません。
単に「2WAYキャッチローラー」が使えない付属品だったという可能性もありますが、「無いよりはあった方が良い」という小市民目線は厳しく突き刺さってくるポイントのような気がします。
まとめ
それなりに効果のありそうなサイクロン機構と、安定した国内メーカーっぽい使い勝手の良さという、2つの利点を併せ持つことで、そこそこ使えそうな印象の製品となっています。
しかし、昨年モデル「TC-ZXC30P」と比べてしまうと、新モデルという意味合いが薄れていく寂しさに包まれてしまうような感じもします。
騒音が少なく、消費電力が少ないという長所もありますが、実は吸込仕事率もそれほど大きくないという上品系の製品でもあります。
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