「きれいな空気について、世界一まじめに考えた」
その結果、生み出されたのがこの空気清浄機「タービュランスTB502」だそうです。
タービュランス空気清浄機 TB-502 カンキョー
この「タービュランスTB502」を開発したカンキョーは現在、高知県に本社のある日本のメーカーです。
1990年代に「クリアベール」という空気清浄機で一世を風靡しています。その後一時は低迷もしたようですが、再び新しい製品を開発し、復活を期しているようです。
この「TB502」は2012年に発売された「TB501」の後継機ということになるようです。
フィルター=ファンの独自構造
カンキョーが製造するこの「タービュランス」シリーズは、他の多くの製品と全く異なる特長を持っています。
空気清浄機に欠かせない、というか空気清浄機の本体と言ってもほとんど差し支えのない「フィルター」が、この「タービュランス」シリーズでは本体内部の「ファン」となっているのです。
いや、「ファン」が「フィルター」になっていると言った方が分かりやすいかもしれません。
これは世界初となる構造のようです。
「HRF(ハイブリッド・ローター・フィルター)」という、それっぽい名前もつけられています。
フィルターに空気を通して、ホコリを吸引するのが空気清浄機なら、いっそのことフィルターをファンにしてしまえば良いじゃないか!
、、、。
確かに斬新な発想です。
空気を通す「フィルター」で、空気を掻き回す「ファン」を作る。
ザルで水をすくうかのような無謀感があります。
実際、専門家の方に「不可能」と言われたのだそうです。
しかし!
出来てしまったようです。
、、、。
専門家をも上回る、メーカーのプロ根性ということなのかもしれません。
そして、この斬新な構造を実現したことで、フィルター(=ファン)を取り外して本体内部を掃除することが出来るようになっており、部屋の空気だけでなく、本体もキレイに保っておけるという、なかなか優れた仕組みになっています。
しかも、運転時間の合計が5年に達すると点検時期だということを教えてくれる機能まで備わっています。
まったく侮れない、驚きの性能!
この「TB502」の構造が斬新なのは間違いありませんが、肝心の空気清浄機としての性能はどうなのでしょうか?
これは、気になります。
「専門家がダメって言ってるのに、無理しちゃって、、、」
権威にからきし弱い小市民としては、そんな冷めた視線で見てしまいそうですが、実はこの「タービュランス」シリーズの性能は、これがどうしてなかなかのものなのです。
まず、適用畳数が27畳となっています。
これはもちろん世にある空気清浄機の中の最大のサイズではありませんが、なかなかパワーのある製品だと言えるでしょう。大手メーカーの製品と比べても中堅機クラスです。
清浄スピードも8畳を約11分と、これも他の製品に大きくヒケを取る数字ではありません。
しかも、それでいて消費電力は最大で38Wに留まっています。
運転音も最大で49dB、最小はなんとわずか8dBです。
、、、うーん。
なかなか優秀です。
そして最も素晴らしいのが、空気清浄機の肝とも言える清浄能力なのです。
なんと、0.1μm〜2.5μmのゴミを99%吸引出来ると言うのです!
うおー!!!
これはスゴいのではないでしょうか?
一般的な空気清浄機に多く使用されているHEPAフィルターは0.3μm以上のゴミを99.97%以上キャッチ出来るとされています。
ところが、この「TB502」はそれよりもはるかに小さい0.1μmのゴミも99%集めてしまうのです!
小さなゴミをキャッチ出来るということは、それだけ網の目が小さいということになります。この「TB502」の場合、恐らく手が掛かっているだろう、そのフィルターをブンブン振り回し、それなりの風量を生み出していると言うのですから、豪快なことこの上ありません。
さらに、ホコリ&ニオイという空気清浄機における2大センサーもしっかり搭載されており、ハイテク感も決して低くありません。
さらにさらに、本体内部では高圧放電でプラズマイオンを発生させて集塵力を高めているらしく、プラズマという響きに弱い某メーカー支持者へのアピールも忘れていません。
結局、決め手はフィルター?
空気清浄機は部屋の空気をキレイにするのが仕事です。
数字を見る限り、この「TB502」が侮れない性能を持っていることは間違いなさそうです。。
ただ、、、。
この「TB502」の最大のポイントである斬新なフィルター「HRF」が、やはり気になります。
フィルター=ファンという構造も関係するのでしょうが、他の通常タイプの製品のフィルターと比べると、この「HRF」のフィルターはちょっと薄いような感じがしなくもありません。
ホコリや汚れをフィルターに吸着させる以上、フィルターにはホコリや汚れが蓄積していきます。そうなるとフィルターにはある程度、物理的な大きさが必要なのではないでしょうか?実際、空気清浄機界の黒船とも言われる(たぶん)「ブルーエア」の空気清浄機のフィルターはかなりの分厚さがあります。
もちろん、汚れたフィルターは交換してしまえば問題ありません。
ここでもう1つの問題が出て来ます。
この「TB502」のフィルター交換頻度は1年〜3年と幅があり、花粉用のフィルターは6,480円、元々装着されている高性能のウイルス用フィルターは8,640円となっています。
、、、。
実は、この「TB502」の本体価格は80,000円を超えており、最高レベルの価格設定となっています。
ちなみに、フィルターの他、約2年目安で4,320円の「イオンサークル」(プラズマイオン発生装置)も交換する必要があります。もし、これでフィルターを1年で交換していくとすると、維持コストはかなりのレベル、というか最高レベルに到達します。
コストが最高レベルということになってくると、おのずと求められる性能も最高レベルになってしまうのは致し方ないところでしょう。そうなると、どうしても他メーカーの最上位機と比べられることになり、ミドルクラスでは目立たなかった風量や機能の点で見劣りしてしまいます。
、、、。
フィルターの交換時期が1年なのか、3年なのか、そんなところがポイントになってしまいそうなところが、この製品のまた斬新なところなのかもしれません。
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