少しコンパクトなだけの衣類乾燥除湿機。アイリスオーヤマ「DDB-20」

すっきりシンプルな外観をしたアイリスオーヤマの衣類乾燥除湿機です。

アイリスオーヤマ 衣類乾燥除湿機 デシカント方式 DDB-20

この「DDB-20」はデシカント式のモデルです。

デシカント式の除湿機は、ヒーターを利用しながら除湿を行うため、コンプレッサー式の除湿機が苦手とする冬の寒い時期であっても除湿力を保つことが出来ます。

さらにコンプレッサー式よりも装置が小型で運転音も静かという長所もあるのですが、ヒーターを搭載していることで消費電力が高いという、分かりやすい弱点を抱えてもいます。

この「DDB-20」の消費電力は350Wです。デシカント式の衣類乾燥除湿機としては特別消費電力が高いモデルではありませんが、それには理由があります。

この「DDB-20」の除湿量は、1日で2リットルしかないのです。

1日あたりの除湿量が10リットルを超えてくるモデルも普通に存在することを考えると、この「DDB-20」はパワフルではないというか、かなり非力な部類に入る衣類乾燥除湿機と言えるでしょう。

非力だから、消費電力も少なめ、というわけです。

そして、この「DDB-20」は単に非力なモデルというだけではありません。

操作するスイッチは電源ボタンとタイマーの2つしかなく、タイマーも4時間または8時間の2択から選ぶだけです。

使うときには、まず電源をオンにして、あとはタイマーを使うかどうか、使うとしたら何時間にするかを考えるくらいなので、操作には迷いようもありません。迷ったとしてもほんの数秒のことでしょう。

この簡単操作について、シンプルで分かりやすいと前向きに考えることも出来ますが、率直に言ってしまえば、あまり機能が無いということになるでしょう。

パワーも無いうえに、機能も無い、まあ要するにこの「DDB-20」は高性能なモデルではないのです。

そんなこの「DDB-20」の最大の長所、それは比較的安価な本体価格です。

主要なメーカーの除湿機、なかでも非力なモデルと比べてみると、この「DDB-20」の価格がかなり低いということが分かります。

■「DDB-20」のライバルとなりそうな他メーカーの衣類乾燥除湿機

ここにあげた他メーカーの製品で最も安価なモデルとなる、パナソニック「F-YZT60」ですら、本体価格はこの「DDB-20」の1.5倍を軽く上回る水準となっていて、価格だけで考えれば実に大きな差があると言えます。

ただ。

もちろん、除湿力にも大きな差があるわけです。

パナソニック「F-YZT60」は、1日の除湿量が5.4/5.6リットル（50/60Hz）となっており、 この「DDB-20」 の除湿力の2.5倍を上回ります。コロナや三菱電機、シャープの製品はさらにそれを上回る除湿力を備えており、そもそものところ、コロナや三菱電機、シャープの製品には現行ラインアップにデシカント式のモデルが無く、コンプレッサー式のモデルなので、根本的に別モノという感じもしないでもありません。

この「DDB-20」に特別な機能が備わっていないということも合わせて考えれば、除湿力を重視して除湿機を選ぼうという場合に、この「DDB-20」が最終候補となる可能性は極めて低いと言わざるを得ないでしょう。この「DDB-20」 が有力な選択肢となるのは、それほどパワーを必要としない狭い空間で使用することを前提として、パワーもそんなに要らないのだし、どうせなら、なるべく安い除湿機が良いかなという場合になりそうです。

しかし！

実は、同じアイリスオーヤマの製品に、この「DDB-20」の最大のライバルが存在します。仕組みも同じデシカント式の除湿機「IJD-H20」です。

■「DDB-20」と「IJD-H20」

「IJD-H20」は、大した機能が無いという点ではこの「DDB-20」と変わらない製品ですが、除湿量でこの「DDB-20」をわずか200mlとはいえ上回り、本体価格はほぼ同等か、場合によっては少し安いこともあるという、ある意味強力過ぎるかもしれないライバルです。発売もライバルモデル「IJD-H20」の方が新しく、実際問題、現行のアイリスオーヤマの除湿機ラインアップには、ライバルモデル「IJD-H20」しか残っていないことを考えると、残念ながら、今後どちらのモデルを優先するかということについて、メーカー的には既に決着がついてしまっているのかもしれません。

そんな苦しい立場に置かれている、この「DDB-20」がライバルモデル「IJD-H20」を唯一上回っているのが、本体のコンパクトさです。

どちらのモデルも、狭い空間で使うことで性能を発揮するので、本体もなるべくコンパクトな方がベターであることは間違いありません。それほど大きな差ではありませんが、それはこの2つのモデルの除湿力の差についても同様です。とんでもなく狭い場所で使うので、ちょっとでも小さい製品の方が良い！という、それほど大きいとは思えないニーズに対してであれば、この「DDB-20」が優位に立つという可能性はあるのかもしれません。

■DDB-20のスペック