日立 CV-SY7000
日立のサイクロン方式掃除機の2013年モデルです。
ルビーレッド↓
日立 CV-SY7000-R
マグノリア↓
日立 CV-SY7000-XV
謎のブーストサイクロン!
キャッチコピーは「ホースから先がさらに軽くなって、操作ラクラク。引くときもキレイ。」です。
ちなみに昨年は「ヘッドとパイプに加え、ホースも軽くなって、さらにお掃除ラクラク。」となっていました。
一昨年は不明ですが、おそらく一昨年にヘッドとパイプが軽くなり、昨年にホースが軽くなり、今年また少しヘッドを軽くした、ということのようです。どんどん軽くなって、どんどんお掃除がラクになっていっている訳です。このぶんで行けば100年後くらいにはヘッドもホースもパイプも重さが無くなっているのかもしれません。
まるで完全に軽量タイプの掃除機のような扱いですが、この「CV-SY7000」は日立の掃除機ラインナップで最上位に君臨するれっきとしたトップモデルなのです。
サイクロン掃除機の最上位モデルとなると、通常ならメーカー独自開発のサイクロン機構の強力さがこれでもかと強調されているようなイメージがありますが、一体これはどうしたことなのでしょう?
実際、この「CV-SY7000」に搭載されているサイクロン機構にも「2段ブーストサイクロン」という、いかにもそれっぽい名前が付けられてはいるのです。
しかし!
この「2段ブーストサイクロン」は、遠心力によってゴミを分離するのが基本、というサイクロン掃除機の仕組みを根本から揺るがすような独自の仕組みを持っているのです。
「2段ブーストサイクロン」はその名の通り、2段階の加速によってゴミを分離、圧縮するという仕組みです。
1段階目でゴミと空気を分離!→2段階目でゴミを圧縮!という極めてシンプルな方法です。これは昨年モデルである「CV-SW7000」と同じ方式です。
しかし、ここで問題なのは、ゴミと空気がどうやって分離されるのかが良く分からないということです。
メーカーの図解を見る限り、ゴミと気流は一体となってダストケースに突入するように思えてなりません。そしてそれを裏付けるようにダストケース自体が巨大なフィルターとなっているのです。そこにフィルターがあるということは、そこでゴミを漉しとるということに他ならないのではないでしょうか?
つまり、この「2段ブーストサイクロン」には「本当は、フィルターでゴミと空気を分離しているんじゃないの、、、?」という疑念が付いて回るのです。
しかも、フィルターはダストケースと一体化しているフィルター(立体フィルター)だけではありません。
吸い込まれたゴミを含んでいる空気は「立体フィルター」を通過した後、さらに「クリーンフィルター」、「アレルオフフィルター」「高集塵フィルター」をくぐり抜けて、ようやく排気となるのです。
、、、。
もう、フィルターでゴミを取る気満々じゃないですか。
と言いたくなるのも仕方ないところです。
強力な助っ人、ティッシュ君
また、この「2段ブーストサイクロン」は、使用時にダストケースに「ティッシュ」をかぶせて使用することが正式に推奨されています。
「ティッシュ」とは別に専門用語ではありません。いわゆる「ティッシュペーパー」です。
、、、。
別に掃除機に「ティッシュ」を使用してはいけないということはありません。
掃除機に「ティッシュ」を使うと罪に問われることは100%ありませんし、誰かが困ることもありません。しかし、ガクッと身体のどこかで力が抜けてしまうような感じがするのは気のせいでしょうか。
メーカーによると「ティッシュペーパー」を使えば、お手入れが簡単になるそうですが、それはつまりティッシュにゴミが付着するということでもあります。やっぱり「2段ブースト」のゴミを分離する能力は、決して極上とは言えないようです。
しかも「ティッシュ」を使用する際の注意までも準備されています。
その1→「ティッシュペーパーは大きさの目安20cm角程度で2枚重ねのものを使用すること」
幸いなことに、通常のティッシュペーパーはこのサイズに該当します。そして2枚重ねが一般的です。これはクリア出来そうです。
その2→「濡れたティッシュペーパーは使用しない」
普通の人間は、おそらく濡れたティッシュペーパーを拡げて掃除機のダストケースにかぶせたりしようとしないと思われるので、これも問題無さそうです。
その3→「ティッシュペーパーを使用した場合、吸込仕事率は約10W下がる」
ひえー!!
ここまで来て脅しです。「ティッシュ」を使ってもいいけど、性能は落ちるよと、、、。
こんなに真っ向から開き直られると、「使えって言ったのはアナタじゃない、、、」という言葉は飲み込むしかありません。
ただ!
たとえ、吸込仕事率が落ちようとも、この「CV-SY7000」で「ティッシュ」を使わないという選択はむしろイレギュラーです。
何しろ、出荷時点でダストケースに「ティッシュ」がちゃっかり装着済みなのです。
「ティッシュ」使いたくないとか、そんな空気を読めないこと言うなよー、みたいな感じです。ちなみに装着されている「ティッシュ」が日立製かどうかについては不明です。
これらが「2段ブーストサイクロン」の別名が「ティッシュサイクロン」とされている理由なわけです(ウソ)。
まとめ
たしかにこの「CV-SY7000」のサイクロン機構はイマイチです。間違いありません。
しかし、だからと言って掃除機として100%イマイチとは言い切れないところもあります。
実際、軽量性、静音性については、なかなかのものです。排気も重厚なフィルター達のおかげで、0.3ミクロンのゴミを99.999%以上キャッチします(フィルターの掃除は必要ですが)。
「クルッとヘッド」「クルッとブラシ」「ペタリンコ構造」「サッとズームパイプ」など、聞いただけで分かるような、やっぱり分からないような機能も充実しています。もちろん、どれも無いよりはあった方が便利な機能です。キャッチコピーにあった「引くときもキレイ」という、ヘッドを後退させる時にもゴミをしっかり吸込む機能も付いています。
もう仕組みなんてどうでも良いから、軽くて、静かで使いやすい掃除機が良い!という場合、絶対に選択肢に入れてはいけないという製品ではなさそうです。
しかし、曲がりなりにもメーカーの最上位モデルであるこの「CV-SY7000」はそれなりのお値段がしたりするので、家でティッシュが余っているからという理由だけで手を伸ばすのは止めておいた方が良いと思われます。
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