ダイソンの羽根の無い扇風機(?)、エアマルチプライアーの新製品です。
アイアン/サテンブルー↓
ダイソンエアマルチプライア― AM02LFIB
シルバー/シルバー↓
ダイソンエアマルチプライア― AM02LFSS
類似製品も出回るようになり、さすがにこの形状にも見慣れた感があります。
特徴のあり過ぎるデザインのためか,最初の驚きを通り越してしまうと、似たデザインで「新製品」と言われてもあまりピンと来ないのかもしれません。
しかし!
なんと、この「AM02リビングファン」は「日本のために」開発された製品だというのです。
おおー。
海外メーカーであるダイソン社がわざわざ日本のために開発してくれたとは、、、。
ジャパンパッシングとすら言われるこのご時世に、なんだか嬉しくなってくるじゃありませんか。
もともとこの「AM02シリーズ」には、「AM02タワーファン」という製品もあり、どうやらそれがこの「AM02リビングファン」のベースとなっているようです。
さてさて、この「AM02リビングファン」、いったいどのあたりが日本仕様だと言うのでしょうか?
「日本の住環境に合わせて高さを13cm低くしました」
、、、。
え、それだけ?
、、、それだけです。
ちょっと、、、
ちょっと、待て!と言いたくなります。
「ニッポンジンハー、チイサイノデー、センプウキモー、miniサイズデー、OKデース」ということでは、さすがにないでしょう。
しかし、「日本の住環境に合わせて」という「13cm」とは、一体どこから算出された数字なのでしょうか?
日本の家は和室があっても無くても、基本的に床の上で生活する想定になっていることが多いです。畳の上はもちろん、フローリングにも座ったり、寝転んだりします。
欧米の生活スタイルと比べて、低い高さで生活しているのは確かです。
しかし、欧米の生活スタイルの基本となる椅子やベッドの高さは、床から約30cm〜40cm程度はあります。
仮に、もともとの「AM02タワーファン」が欧米スタイルの製品だとして、「AM02リビングファン」が日本向けだとすると、はたしてその高さは13cmのサイズダウンで足りているのでしょうか?
しかも気になるのは、欧米スタイル「AM02タワーファン」と、日本向け「AM02リビングファン」は、確かに全高は異なりますが、風の吹出し口の下辺は同じ高さにあるようなのです。
これは、、、
単純に吹出し口が小さくなっただけでは、、、?という疑いを持ってしまいます。
しかも「AM02リビングファン(タワーファンもですが)」は、上下の角度調節が出来ないのです。
(欧米と比べ)低い高さで生活している日本の住環境に合わせて、と言いながら、下方向への風が考慮されている感じが全くして来ません。
いやいや、何を言ってるの。日本の家庭では和風と欧米風のスタイルが混在しているから、完全に床向けの扇風機なんて作ったら、かえって使いにくいよ。
という意見もあるでしょう。そうです。当然です。
完全和室向けに、地を這うような風ばかりを吹き出す扇風機が「使える」かというと、全くそんな感じはしません。
ただ、この「AM02リビングファン(タワーファンもですが)」は、高さの調節も出来ないのです。
、、、。
これだと、それなら、せめて吹出し口が上方向に大きい元々の「AM02タワーファン」の方がベターなのでは?という気がして来てしまうのも致し方ないところです。
そして、この「AM02リビングファン」と「AM02タワーファン」の市場価格はそれほど変わりません。
そして、驚いたことに消費電力もこの2機種は同じです。そして、そしてさらに驚いたことにこの「AM02リビング&タワーファン」の最大消費電力は約65Wと、流行りのDCモーター搭載扇風機の中でもかなり消費電力が大きい部類に入ります。
ダイソンのホームページでは「エアマルチプライアーで節電」とうたわれていて、エアコンと比べて約85%もの節電が実現出来ることが強調されていますが、エアコンと消費電力を競える扇風機など、もともとこの世に存在しません。
確かなのは、DCモーター搭載の高価格帯扇風機では20Wすらも下回る製品が出て来ているというのに、この「AM02リビング&タワーファン」はその3倍以上の電力を消費するということです。
いやいや、消費電力は高いかもしれないけど、ダイソンはパワーが違うんだよ。
「吸引力の落ちない」掃除機のイメージから、ダイソン製品はハイパワーだと言う期待があるかもしれません。
なにしろ、ダイソンの「エアマルチプライアー」は、飛行機のエンジンにも使用されている技術を利用して、吸い込んだ空気の最大18倍(AM02は16倍)もの風量を生み出すというのです。
しかし、この風量を計算してみると、「AM02リビング&タワーファン」が吹き出す空気は毎分30㎥弱となり、これは特別悪い数字では無いかもしれませんが、優れた数字では全然ありません。
話題になったバルミューダの「グリーンファン」は52㎥/分、他のメーカーでも40㎥/分オーバーの風量の製品は普通にあるのです。
、、、これは大変なことになって来ました。
日本向けに開発されたという「AM02リビングファン」の優れている点を見つけられないうちに、「AM02シリーズ」自体へのイマイチ感が高まって来てしまいました。
やはり、ダイソンの羽根の無い扇風機の最大の魅力は「デザイン」ということになってしまうのでしょうか、、、?
、、、デザイン?
そうです。「AM02シリーズ」の最大の魅力を「デザイン」だと仮定すると、「AM02リビングファン」が日本向けであるという理由を明らかにすることが出来るのです。
「日本の住環境」→「狭い」
これは間違いない事実です。
ダイソンの「AM02タワーファン」のデザインが気に入っていて、どうしても家に置きたいんだけど、扇風機が不要な秋冬に「AM02タワーファンをしまっておくスペースが無い、、、。
そう、「AM02タワーファン」の高さは1Mを超えているので、押入にいれるのも一苦労なのです。
しかし!
13cm低い「AM02リビングファン」なら、押入に押し込むことがより容易です。
暑い時期は最高のデザイン(と風も一応)を楽しみ、寒くなったら狭い収納スペースに押し込む。
コレガ、ジャパニーズスタイルデース!
という経緯でこの「AM02リビングファン」が開発されたのかどうかは全く定かではありません。
コメント