パナソニック「F-VXL90」
木目調↓
パナソニック 加湿空気清浄機 F-VXL90-TM 木目調 ~40畳
ホワイト↓
パナソニック 加湿空気清浄機 F-VXL90-W ホワイト 〜40畳
カラーバリエーションに「木目調」があるところからして高級感を濃厚に漂わせているパナソニックの空気清浄機の最上位モデルです。
この「F-VXL90」の最大の特徴は「カタチ」だそうです。
なるほど、何事もまずはカタチからと言ったりもしますからね。
ひとつ!「見つけるカタチ」
この「F-VXL90」は、高精度のセンサーを適切な位置に配置しているのだそうです。
、、、。
いきなり特に「カタチ」の話ではなさそうな感じもしますが、センサーを適切な位置に配置しておくことは大切なことには違いありません。というか、センサーってもともとそういうものじゃないのでしょうか?
ただ、この「F-VXL90」が搭載しているセンサーを侮ることは出来ません。
「ダストセンサー」と「ニオイセンサー」という空気清浄機向けセンサーのツートップはもちろん、加湿機能用の「湿度センサー」、部屋の明るさを測る「照度センサー」、そしてパナソニック独自だという「ひとセンサー」の計5種類ものセンサーを搭載しているのです。
しかも、ダストセンサーは「高感度ハウスダストセンサー」となっていて、なんと0.3μmのホコリを検知出来るのだそうです。業界初だという、この超高感度センサーは上位モデルであるこの「F-VXL90」と「F-VXL70」だけに搭載されていて、同じ名前で他のモデルに搭載されている「高感度ハウスダストセンサー」とはモノが違うようです。
パナソニック独自の「ひとセンサー」は人を検知した時点で運転を開始することで、ホコリが大きく巻き上げられる前に吸い取ってしまおうという機能につながっています。
ふたつ!「吸い込むカタチ」
この「F-VXL90」はホコリを下から上に吸い上げるような構造となっているのだそうです。本体の形状も底部が大きい台形に近い形状となっています。これは確かに「カタチ」に関わるポイントのようです。
進化した風の力でこの「F-VXL90」の吸引力は従来モデル「F-VXK90」のなんと約2倍にもなるのだそうです!
、、、。
2倍とはただ事ではありません。
、、、本当でしょうか?
なにしろ、従来モデル「F-VXK90」だって、2014年発売のメーカー最上位モデルなのです。確かに新モデル「F-VXL90」ほど台形形状はしていないものの、床上のホコリに注目し、本体正面の下部から空気を吸い込むようになっているというコンセプトも同じだったのです。
そして、なにより、、、
実は、従来モデル「F-VXK90」も、さらにもう1つ旧タイプとなる2013年発売モデル「F-VXJ90」と比べて「ハウスダストの吸引スピードが約1.5倍」とうたっていた製品なのです。
2013年→2014年「吸引スピード約1.5倍」→2015年「吸引力が2倍」
ちなみに各モデルの消費電力を見てみると、
2013年「F-VXJ90:最大88W」→2014年「F-VXK90:最大88W」→2015年「F-VXL90:最大88W」
と、この3年間まったく変わっていません。
使うエネルギーは変わらないのに、効果は1.5倍!そしてさらに2倍!
こんなことってあるのでしょうか?
ファンやモーターが1年ごとに驚くほど革新的なモノに変わって行けば不可能ではないのかもしれません。
ただ、ちょっと現実味は薄そうです。
ここで注意が必要なのが、メーカーが設定している条件の違いです。
2014年モデル「F-VXK90」は「約11畳のリビングで本体を壁際に設置し、対向壁際にあるテレビの後ろのハウスダストが本体の前方付近に到達する時間」を計ったときに、2013年モデル「F-VXJ90」の1.5倍早かったのだそうです(約18秒と約28秒)。これで吸引スピード約1.5倍。
めちゃくちゃ細かい条件です。
そして、2015年モデル「F-VXL90」は「約6畳の試験室で、本体を壁際に設置し、対向壁際付近の床上の花粉相当の粉塵が本体前方床上付近に到達する時間」を計ったときに、2014年モデル「F-VXK90」の2倍早かったのだそうです(約30秒と約60秒)。これで吸引力が約2倍。
やっぱり細かい条件で、試験する部屋の広さまで変わっています。
そもそものところ、この3モデルが吹き出す風の量はどうなっているのかというと、
2013年「F-VXJ90:最大8.7㎥/分」→2014年「F-VXK90:最大8.7㎥/分」→2015年「F-VXL90:最大8.7㎥/分」
と、消費電力同様まったく同じなのです。
本体から吹き出る風量は同じなのに、吸引スピードや吸引力が変わるというのは、風の吹き出し方法に変化を加えているということに他なりません。実際、2014年モデル「F-VXK90」では吹き出し口のルーバーにフィンが付けられたり、2015年モデル「F-VXL90」では吹き出す角度を変化させたりするなどしています。
ただ、あくまでメーカーの試験条件での結果であり、実際の部屋で同じような結果が出る保証はありません。というか、これだけ細かい条件での結果だと、試験とは異なる結果になる可能性の方が高そうです。
メーカーもきっぱりと断っています。
「数値はあくまでも目安であり、設置環境、使用状況によっても効果は異なります」
、、、。
まあ、その程度の違いだという風に考えて、あまり期待し過ぎない方が良さそうです。
みっつ!「逃さないカタチ」
何だか「カタチ」にはそれほどこだわらなくても良いかな、、、という気分になってきたところで、最後の「カタチ」です。
「高性能フィルターで約0.3μmの粒子を99.97%以上集じん」してくれるのだそうです。
、、、。
これは、思いっきり普通です。
この「F-VXL90」の集塵用フィルターはHEPAフィルターとなっていますが、もともと0.3μmの粒子を99.97%以上キャッチ出来るというのが、HEPAフィルターの規定となっているのです。そして、HEPAフィルターを搭載している空気清浄機は現在では全く珍しいものではなく、むしろ搭載していない製品の方が少なく思えるくらいです。
もう1つの脱臭フィルターと合わせ、10年交換不要となっているのはフィルター交換の手間やコストを考えると、かなり楽な仕様となっていますが、フィルターの性能は次第に劣化していくということは注意が必要です。
まとめ
3つの「カタチ」が若干期待ハズレ気味なところはありますが、それぞれの「カタチ」に関する能力に特に問題があるということではありません。高級な木目調のデザインで、ちょっと期待が大きくなり過ぎたということなのかもしれません。特にパナソニックの得意とするセンサーてんこ盛り仕様によりハイテク感は十分です。
また、この「F-VXL90」は加湿量も最大830ml/時という、かなりの加湿力を備えています。これは加湿器単体としても十分使用に耐えうる加湿量です。お手入れが必要なパーツが少なかったり、消費電力を抑えるエコナビが搭載されていたり、国内最強家電メーカーの製品として無難な感じはしっかりと備わっています。
考えられる機能はともかく盛り込んでしまうことで、文句をつけられそうなところを無くしてしまうという重厚な製品と言えるでしょう。本体サイズも高さ640mm×幅398mm×奥行268mm、そして重さは11.8kgと迫力十分です。まあ、あえて言うなら旧モデルでもそんなに性能は変わらなそうです、ということでしょうか。
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