日立「ビッグドラムBD-V9500」

シャンパン(左開き)↓


日立 BD-V9500L-N(シャンパン)

パールホワイト(左開き)↓


日立 BD-V9500L-W(パールホワイト)

日立のドラム型洗濯機「ビッグドラム」シリーズの最上位モデルです。
もちろん右開きもあります。

洗濯機市場では、各メーカーが省エネ性、節水性で熾烈な争いを繰り広げていますが、この「ビッグドラム」シリーズは正直言って、省エネ性能については劣勢に立たされています。

他のメーカーの最上位モデルの省エネ性能を見てみると、

東芝ザブーン「TW-Z9500」→消費電力約620Wh、使用水量49リットル。動作時間約165分
パナソニック「NA-VX8200」→消費電力650Wh、使用水量53リットル。動作時間約160分
シャープ「ES-Z100」→消費電力610Wh、使用水量52リットル。動作時間約155分

そして、

日立ビッグドラム「BD-V9500」→消費電力約840Wh、使用水量66リットル。動作時間約165分

うーん。
完敗です。

当然メーカーも「省エネ性」を最大のアピールポイントとはしていません。

ウリは「自動お掃除」と「風アイロン」だそうです。
全くつながらない2つの機能がピンポイントで上げられているのは、この2つの機能によほど自信があるのか、それとも他に選択肢が無かったのか、ちょっと分かりませんが、もちろんウリが無いよりは全然マシなわけです。

まず「自動お掃除」は、洗濯のたびに洗濯槽の見えない部分をシャワーで洗い流してくれるというものです。
これにより、黒カビの発生を抑えてくれるみたいです。

これは良いですね。

東芝の「TW-Z9500」にも似た機能がありますが、こちらは脱水時の高速回転で汚れを洗い流す仕組みです。
この「BD-V9500」は汚れを洗い流すためのシャワーが装備されているという点で、より効果が期待出来そうな感じがします。

ただ、、、。

この「自動お掃除」は専用のシャワーを備えている分、追加で水を使用します。
1回あたり、9リットルだそうです。つまり、使用水量は標準+自動お掃除をすると、66リットル→75リットルに増大する訳です。わずかながらではありますが、省エネ性という点ではマイナスとなってしまいます。

そして、もう1つのウリである「風アイロン」です。

なんと、時速300kmの高速風でシワを伸ばすのだそうです。

すごい!

秒速にすると83mに達します。
ちなみに台風などで風速が秒速30mを超えると、屋根が飛んだり、家屋が壊れたりするみたいです。

、、、。

服は大丈夫なのでしょうか?
時速300kmというのはまともに浴びると、シワが伸びるどころか、服の繊維ごと伸ばしてしまいそうな恐怖の風速です。

まあ、もちろん服がビヨーンとなったりしたら、すぐに分かるので、そんなことにはならないようにウマいことなっているのだと思われます。

また、製品名にもなっている「ビッグドラム」でドラムの容量が大きいため、衣類を大きく広げて乾燥させることが出来るというメリットがあるようです。

しかし、ここでも弱点となるのは省エネ性=消費電力です。

この「BD-V9500」の乾燥方式は、現在主流である効率の良いヒートポンプ式ではなく消費電力の高いヒーター式です。
ただし「ヒートリサイクル乾燥」という熱を無駄にしない独自のヒーター式なので、現在、唯一ヒートポンプ式と競うことの出来る省エネ性を備えています。それでもヒートポンプ式の進化が凄まじいために、他社のトップモデルには消費電力量で差をつけられる形となっています。

ネックとなる省エネ性については、メーカーも意識しているのか、ヒーターを使用しない「節電コース」も設けられています。

しかし、この「節電コース」には、ヒーターを使わない分、仕上りまでの時間が1.5倍近く長くなってしまうというありがちな落とし穴も設けられています。ヒーターを使わないことでピーク電力が抑えられるようですが、それがものスゴく魅力的かと言うと、ちょっと微妙です。

省エネ性以外の部分においては、最上位モデルらしく、様々な技術が搭載された高機能モデルとなっています。

実績のある「eco水センサー」はこのモデルでは何と7つものセンサーを基に洗剤量表示、使用水量、洗濯時間を調整してくれます。洗濯中も、3つのセンサーを基に、大きなドラムの落差を利用した”たたき洗い”の効果が最大になるようにドラムの回転数をコントロールするようです。

また、「洗い」「すすぎ」「脱水」「乾燥」の時間や回数をお好みでそれぞれ設定出来る他、様々な組合せの運転モードも搭載しており、全ての機能を使いこなすのが難しく思える程、多機能となっています。

もともと日立の洗濯機については、完成度の高いモデルも多く、この「BD-V9500」も、洗濯〜乾燥まで、しっかりと行ってくれそうだ、という感じはします。特にビッグドラムを使用した乾燥については「綺麗に乾燥出来る」との高い評価が多いようです。

しかし、仕上りの差は分かりにくい部分でもあるだけに、目に見える省エネ性でも、もう少し他社に迫っておく必要がそろそろあるような感じもします。

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